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2018年03月21日07:14

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〆切り

 夏休みの最終日に「宿題ができていない」と大いに焦ったのが、多くの日本人の「初めての〆切り体験」なのではないでしょうか。幸か不幸か、私はその体験を持っていません。大体7月中にほとんどの宿題は済んでしまっていて、日記とか自由研究とか、どうしても時間がかかるものしか8月分には残っていませんでしたから。社会人になってからも「〆切りに追われる仕事」では無かったし、原稿を依頼されて書く場合も依頼された瞬間に書き上げるから〆切りはまったく無関係だったし……もうちょっと「スリル」を楽しんだ方が良かったのかもしれません。人生のいくらかを私は損してきたのかな?

【ただいま読書中】『〆切本』左右社、2016年、2300円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4865281533/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4865281533&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=b8fe6a6b8fa33c1b2b920792a58aa08d
 様々な作家(小説家、マンガ家、詩人、脚本家、など)が「〆切り」について書いた、エッセイー、作品、編集者への「〆切りに遅れること」への言い訳の手紙などを集めた本です。いやもうその内容の“豊か"なこと。もしかしたらその言い訳の対象となった“本編"よりもこの言い訳の方がよほど面白いかもしれません。ただ、編集者や印刷工場などは胃に穴が開くような気分で原稿を待っていたのでしょうけれどね。
 面白いのは「〆切りを破ったことがない(きちんと守ることを信条としている)人」が、なぜかとっても肩身が狭い思いをしていることです。私から見たら社会人として「契約」を守るのは当然だと思うのですが、文壇というのは不思議な世界なんですね。ただ、「〆切りを破りそうで、でも努力してぎりぎり間に合った」作品の場合「努力」と「間に合った」が加味されてその分「傑作」に内輪では見えるのかもしれません。読者から見たら、〆切りを悠々クリアしたものだろうとギリギリで仕上がったものだろうと〆切りを破ったものだろうと、それで作品の出来に大きな差が生じるものとは思えませんけどね(実際にいくつも作品を並べて「どれが〆切りを破ったものか?」なんてクイズをやったら、一般読者にはわからないのではないかと私には思えます)。


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