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2018年03月05日11:42

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活字の数は有限

 「活字を拾う」を理解できる人は現在の日本で半分以上いるのかな? アニメ『銀河鉄道の夜』を見た人は若くてもわかるかもしれません。
 ところで、活字を拾って一つのページ面を組んでいくとき、もし活字が足りなかったらどう解決していたのでしょう? シェークスピアの時代には「W」は「VV」でも代用可能だった、なんてことが今日読書した本には書いてあったのですが、そんなことをしたらこんどは「V」が足りなくなっちゃうのでは?なんて心配を私はしてしまいました。

【ただいま読書中】『ビブリア古書堂の事件手帖(7) ──栞子さんと果てない舞台』三上延 著、 メディアワークス文庫、2017年、650円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4048926403/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4048926403&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=05d9cd0c1e9f9addbf17ff8abb57b1a5
 鎌倉の古本屋を舞台に「古本の謎」をめぐる連作短編集もついに7冊目。大団円を目指して物語は進んでいます。
 こういったシリーズ化された短編集の場合、「ネタ」がどうしても「登場人物」の方に向かってしまいます。本人が隠している、あるいは本人さえ知らない隠された過去、とか、思わぬ人物相関図とか。アメリカの(「CSI」とか「NCIS」とかの)人気連続テレビドラマだと、メンバーがたとえ人気者でもあっさり入れ替えたりスピンオフドラマを制作したりで乗り切っていきますが、日本だとどうしても主要メンバーはそのままにしたくなるので、それまでの「謎解き」中心が「人間ドラマ」にシフトしてしまいがち。本シリーズでもその傾向が見えるので、そろそろ打ち止めの時期ではあったのでしょう。
 本書で登場する古書は「シェークスピア」です。シェークスピアが残した稀覯本(の写し)をめぐって、栞子さんの母親や祖父や祖母やらが次々登場。さらに「リヤ王」の道化というか「ベニスの商人」のシャイロックというか、そんな「役」を演じる(あるいは演じさせられる)人も登場します。そして、「本を読むことが人生そのもの」の栞子さんと、「本は読めないが、栞子さんが本について語るのを聞くのは大好き」な大輔くんとの関係にも「句点」だか「読点」だかが打たれようとしています。「舞台」は果てないのですが、とりあえずは「大団円」ということで、良いんですよね。さて、その存在を忘れていた登場人物もいるので、その内時間を取ってまた最初から読み返してみたい気はします。いつのことになるかは、わかりませんが。
 ともあれ、著者には「お疲れ様でした」と「ありがとうございました」の言葉を贈りたいな。


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