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2018年03月03日07:01

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将棋とめし

 藤井聡太さんが四段になってまだ1年。その強さが社会的なブームを巻き起こし、彼はもう六段。だけどマスコミは連勝の数字と「彼が食べるもの」の方に注目したりして、将棋会館への出前のおじさんがわっと取り囲まれての取材をされてどぎまぎしたりしていました。将棋はわからなくてもめしならわかる、ということなのでしょうが、もうちょっと将棋の方にもきちんと注目した方がいいんじゃないかなあ。将棋初心者の記者が藤井さんに影響されて将棋を覚えていく過程をドキュメントにする、とか、“藤井さんの料理法"はいろいろあると思うのですが。

【ただいま読書中】『将棋めし1』https://www.amazon.co.jp/gp/product/4040688236/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4040688236&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=4dad7adf0613e260f1593d9d2cf80bdf『将棋めし2』https://www.amazon.co.jp/gp/product/B074P14F6S/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B074P14F6S&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=26880fb2339edc041f74538d7a2f4dde松本渚 作、広瀬章人(八段) 将棋監修、メディアファクトリー、2017年、各巻600円(税別)

 昨日は「出る」話でしたが、今日は「入れる」方の話です。
 昨年『将棋めし1』は読んだはずですが、『2』を読みたくなったので合わせて読むことにしました。
 プロの棋士が対局の合間に食べる「めし」に注目した漫画です。主人公は峠なゆた六段。C級1組のプロ棋士で、タイトル戦にも挑戦している実力者です。しかし対局中に考えているのは「夕食どうしようかな」「対局者と同じものを食べるのはいや」「ゲンの良いものを食べたい」などなど“雑音"ばかり。もうちょっと勝負に集中しましょうよ、と声をかけたくなります。彼女は「盤外でも勝負している」のでしょうが。
 将棋に関するトリビアもいろいろございます。「食事の注文は上座から」「食事中は和服は洋服に着替える」「上座は年功序列だが、若くてもタイトルホルダーは上座」「食事をする部屋で出前の食事が配置される位置も対局の上座と下座に合わせる」とか。しかし「食事も戦いの一部だ」と言われたら思わず納得してしまいますが、皆さん本当にそう思いながら食事をしておられるのかな? ちょっとは気を抜いていないのかしら?
 「桂馬の両取り」によって食事のメニューが決まったり、「鰻重の松」によって勝負手が決まったり、握りずしを食べる順番を将棋の戦術にたとえてみたり、将棋とめしを無理矢理結びつける遊び心がいっぱいです。将棋盤の前ではポーカーフェイスの人も食事の時には盤上の形勢が現れやすい、というのも、それはたしかにあるだろうな、なんて思えます。
 しかしなゆた六段は、実に美味しそうに「ごはん」を食べます。放置するとすぐカツ丼に行こうとするのが難点ですが。第2巻の最後では勝ったらいよいよB級2組。そこで相手の穴熊を食い破るための「将棋めし」がステーキ、というのが素敵です。


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