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2018年01月22日16:12

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ある映画監督の生涯

『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』1975年公開、新藤兼人監督。田中絹代を含む39人の映画関係者が溝口健二についてインタビューを受け、その語りを見ながら溝口健二を師と仰ぐ新藤兼人と依田義賢の二人が解説し続ける。入江たか子を途中から配役から外した溝口への批判や疑問、田中絹代への想い、暖かい家庭を築く事が出来なかった自分自身への不満を仕事にぶつけた溝口の58年間の人生の数々が熱く伝えられていました。田中絹代が出身地である下関に大御殿を建てたのは、溝口が「日本の女優はブルジョアにはなれない」と語った事に対する反発からだった、田中絹代を監督とさせる事について溝口と小津が喧嘩をしたとかしなかったとか、ゴッホの絵画を前にした溝口が田中絹代に対して「本当の芸術家というのは狂人になるものだ」と、、、大半がネットや書物に紹介されている内容だと思いますが、実際に新藤兼人と依田義賢が語り合っているのを聞くと実に生々しいですね。「傾向映画」についても一言二言あるような御二人の語りでした。田中絹代以外に、木暮実千代や山田五十鈴、乙羽信子、京マチ子らの往年の大御所による語りがなんとも魅力でした。単なる回想ではなく、大女優はインタビューで受け答えする時も女優なのだと感じさせられました。
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