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2017年11月12日00:28

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祇園囃子

『祇園囃子(ぎおんばやし)』1953年公開、川口松太郎原作、溝口健二監督、木暮実千代、若尾文子、浪花千栄子、ら。
祇園の世界でも人権を主張させて古い風習に従うとは限らない、というウーマンリブ風情の走りなのか、とも思いましたが、先輩後輩である芸妓舞妓が世代間ギャップを乗り越えて祇園の世界で生きていく覚悟について描かれていたように思います。若い若尾文子よりもベテラン域に入った木暮実千代の魅力の方が遥かに上回っています。また、浪花千栄子はああいう役をやらせたら天性のものを発揮しますね。舞妓修行の一旦が伺えて日本人でもたまらない程に見所が多いですね。外国人がこの映画を観たら興味と偏見の両方を益々掻き立たせるのではないかと思います。ただ、舞妓である若尾文子に関係を迫った車両会社専務役の河津清三郎が、逆に舌を噛まれて大怪我する、というシーンだけは強引さが目立ち過ぎましたし、東京行の夜行列車に若尾文子の父親がひょっこり現れるシーンには笑わされましたが。また、この映画でも「アプレ」という言葉が出て来ていましたね。
因みに、祇園には、二つの街があったらしく、祇園甲部と祇園乙部では道徳的な振る舞いが違った、との事。これまで先斗町には何度も足を運んでいましたが、芸妓遊びに縁の内科クリニック人間にとっては二つの祇園等知る由もありませんでした。映画の舞台は、祇園甲部だった、との事ですね。溝口健二監督の『祇園の姉妹』も必見だと思います。

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