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2017年11月01日00:23

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瑠璃の盃へ、金色の酒を注いで
少したちどまって
自転速度を感じてみて

きみの健やかな寝息
製鉄でがらぎゃらする音
夜、接岸する客船のように音なく
かるく、まぼろしのようにほつ
ほつ、と、産卵する蛍、みたいな


うたたねた昼頃がひえたら
ロード・ショウ
即席の狙撃主になって提灯の
ともしびを極星とまちがえる
歯の角度を数え
数えた定理を狙撃した稜線の点
刻々と姿を変える吐息は
吹き
散らされた雲海、刻々と倍増する慈愛を
纏めてさわやかに飲み干そう

きみは猫のようにいつまでも
ねむっている
昼をすぎ
夜を越え
雑に束ねられた暁がひっそりと
湖底で化石しても
ねむってる
為だけにねむってる

詩のように言葉を接ぎ
背にかかる質量へ夢が
菌床みたいにはびこる
きみがはたらいている
わたしは月を宝物庫へ
しまう
きみが眠るとき
わたしはあごをさすり
保険金を勘定し
安寧と空しさを
腹式呼吸で彼方へとばす
かりそめの障子には
血の飛沫があらたしい

猫のように物陰から来て
季節のようにすぎさる
すこし笑っちゃう
うつくしいもの


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