mixiユーザー(id:20839049)

2017年06月08日12:27

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浮雲

『浮雲』成瀬巳喜男監督、1955年。高峰秀子、森雅之。森雅之の軽さと、高峰秀子の優柔不断さが際立っていましたが、高峰秀子にここまでの役をさせるんですね。小津安二郎が「俺に出来ないシャシンは溝口の『祇園の姉妹』と成瀬の『浮雲』だけだ」と語った、のも何となく分かるような気がしました。ロイ・ジェームスが米兵役のチョイ役として出ていましたが、戦後を生きて行くための必要悪がいつも深掘りされない程度に挿入されたり、新興宗教に熱心になる人びとを描く映画が結構多いですね。
当時の千駄ヶ谷駅前が写し出されていましたが、駅は実に時代を実感させます。
森雅之と岡田茉莉子を同じ風呂に浸からせたり、肺病の高峰秀子を鹿児島から無理矢理に雨ばかりの屋久島への同行を強行させたり、のシーンには鑑賞中に首を傾げたんですが、脚本を真面目に捉えようとするとかえって大切なところを見落とすような気もします。「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」。
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