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2017年06月07日21:29

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嫁ぐ日まで

『嫁ぐ日まで』島津保次郎監督、1940年。島津保次郎監督の「保次郎」を、小津安二郎の母親が真似したような解説も書かれていますね。それはともかく、びっくりしたのは杉村春子が女学校の音楽の先生として本人がピアノを弾いているシーン、Frederich Kreisler?の「母と子」?を合唱させながら。調べて見ると、杉村春子は広島で音楽の先生(小学校の代用教員)をしていた、とか。杉村春子を見る目が変わった一作でもあります。脚本は、大正ロマンを強調したいのか、戦時検閲が入る直前なのか、やたらとカタカナや西洋文化が顔を覗かせていましたね。エクレア、とか、シチュー、とか、、また、妹役の矢口陽子が持ち帰った弁当箱に御飯粒が沢山残っていましたが、明らかに戦時高揚に入る前に練られた脚本だとわかりますね。二十歳の原節子が着物、割烹着で家事をこなしながら妹の面倒を見ている姿が頼もしいです。銭湯から帰って来ても髪型が乱れてはいませんでしたが。原節子の台詞の吐き方がかなりしっかりしていました。 日本で1939年12月に公開されたフランス映画「格子なき牢獄」(PRISONS SANS BARREAU、レオニード・モギー 監督)、という作品も話題に出ていたりして非常に興味深いです。平井英子?の「嫁ぐ日まで」も日本ビクターのレコードで御披露目されていましたね。後妻役の沢村貞子に対して、馴染み切れない原節子の妹役の矢口陽子も若いのになかなかの演技でした。原節子が嫁いで行く日、妹に対して新しいお母さんの言う事をよく聞くように、と諭すシーンは、小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」を思い起こさせました。勿論、原節子の嫁入りシーンがみずみずしかったのは言うまでもないですが。ネットには、小津安二郎はこのシーンをどう観ていたのか?という関心も多いようですね。
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