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2017年05月11日20:40

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雲の中

 山道を歩いていて霧にまかれたとき、山の下からこちらを見たら、私は霧ではなくて雲の中を歩いているのではないか、と想像したことがあります。「霧」と呼ばれようと「雲」と呼ばれようと、水蒸気たちは気にしていないでしょうけれど。

【ただいま読書中】『宇宙から見た雨 ──熱帯降雨観測衛星TRMM物語』寺門和夫 著、 JAXA 企画、毎日新聞社、2015年、1000円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4620322628/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4620322628&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=6d931d30370d62dfd6988b03d4230fc1
 1972年にNASAが打ちあげたランドサット1号の映像は、多くの人に衝撃を与えました。解像度は80mとまだまだ不十分でしたが、「宇宙から見た地球」の画像にはまだ人が見たことがないものが多数写っていたのです。日本でも調査研究が始まりますが、重要なテーマとして浮上してきたのが「雨」でした。アメリカではマイクロ波放射計によって降雨が宇宙から観測されていましたが、これは「真上から見た降雨の全量」で、降雨の三次元分布は不明でした。そこで「レーダーで降雨を観測する」アイデアを日本では検討します。幸運なことに予算が獲得でき、航空機にマイクロ波のレーダーを搭載して実証実験を行います。その結果にNASAが注目していました。かくして、日米共同計画が起動します。日本内部、アメリカ内部、そして日本とアメリカの間で色々ぎくしゃくがあり、「日本の降雨レーダーを組み込んだNASAの衛星を日本のH2ロケットで打ちあげる」という案が登場。いやもう、なんでこうなるのか、と私は驚くばかりです。そして、1997年11月28日「TRMM衛星」を搭載したH2ロケットは種子島から発射されます。
 TRMM衛星に搭載されたのは、アクティブ・フェイズド・アレイ方式のレーダーで、レーダーから発射された電波が雨粒で散乱されその一部がレーダー方向に戻るのを検知しています。レーダーのビームは真下に向けられ、雨滴の高さの違いも検出できます。その結果、ハリケーンの進路予想など、貴重なデータが次々取れるようになりました。
 最近の雨は、20世紀のに比較してずいぶん荒っぽいのが多くなった印象を私は持っています。そのへんの研究がこういった人工衛星で進んでくれたら、人類はもう少し幸福になれるかもしれません。私はそのへんに強く期待をしています。



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