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2017年02月15日22:49

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ブエナ ビスタ ソシアル クラブ

『澪』の割付を昨日から行い本日完了。
このところ、ほかの本の合間に読んでいるのが河合恒生さんの『キューバ革命』だ。著者はふだんは国際政治学者だが、詩も書かれる方なので、何かの拍子に送りますよ、ということになった。レビューは読み終わったら書きたい。今日、最終章「革命の勝利」に入るところだったので本を閉じる。

なぜか私はレビューとは別に本が終わりそうになると何かを書きたくなる。本そのものの内容とは別に、それを読んでいる時に考えた道草みたいなことが気になるのである。読み終わってしまうと、レビュー以外は書く意欲がなくなるところをみると、書いても書かなくてもよい程度のことなのだが。なのに、もうすぐ夜がくる直前の、日の名残のようなものにひきつけられる。道草とはもともとそういうもので、目的もなくただぐずぐずしていたいだけなのだ。

この本を読んでいる間たびたび「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」のことを思っていた。革命前に人気だったキューバのミュージシャンたちを発掘して集めて再度演奏したCDや映画が世界的にヒットした。彼らは革命以前の富裕層たちのための音楽をやっていたとみなされ、革命後は不遇な環境におかれたのだろうか、という疑問をずっと持ち続けていた。それは今も変わらない。

彼らは実際、長い間忘れられた存在となっていた。だがライ・クーダーが彼らを訪ね歩き復活させた音楽は全世界から歓呼をもって迎えられた。あまりにすばらしいので私は映画のDVDまで買ってしまった。ハバナの海岸沿いのハイウェイを車が(多分すごく古い型だろう)疾走していく。波が打ち寄せ波頭が白く砕ける。そこに長いタテ看板みたいなのが立っていて「われわれは夢を信じる」と大きく書かれている。もしかしたら革命によって職を失ったかもしれない音楽家たちが主役の映画なのでどこかアンバランスだが、それでもその言葉は心に沁みるのである。

その頃あまりにその音楽が好きになったので、後輩が誕生日に本をくれた。『旅の指さし会話帳--キューバ篇』。将来キューバに行くことになったら、この本を使って現地の人とお話しすれば?ということらしい。絶対に行かないだろうと思ったが、おとぎ話のように忘れられない贈り物となった。では、血みどろの革命のことは忘れて、その旅の本を活用した練習をしてみよう。かつてこの地上のどこかにあった秘密の場所を探しに行くのだ。

「ドンデ エスタ ブエナ ヴィスタ ソシアル クラブ?」
(美しい 見晴らしの 社交場 はどこですか?)
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