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2016年08月10日07:08

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ゲリラ豪雨

 最近の天気予報では「局地的に激しい雨」とは言いますが「ゲリラ豪雨」とは言いません。マスコミもあまり「ゲリラ豪雨」とは言わなくなりました。「ゲリラが襲ってくる」のがもう「日常」になってしまいました?

【ただいま読書中】『天変地異の科学』西川有司 著、 日刊工業新聞社、2016年、1600円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4526075701/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4526075701&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 地球は「宇宙というシステム」の中で動いています。たとえば直径10万光年くらいの大きさの銀河系はゆるやかに自転していて、太陽系は2億5000万年くらいかけて一周しています。
 地球の内部も「動的なシステム」です。マントルが対流し、大陸は動きます。月の潮汐力によって海水は上下します。そして、大気も海水も動き続けています。そこに宇宙からの影響(巨大隕石とか太陽嵐など)が加わります。そしてこの「システム」が破綻したとき、「天変地異」が生じます。決して「天罰」などではありません。
 産業革命前、海洋のpHは8.17でしたが、現在は8.06となりました。原因は、溶けこむ二酸化炭素が増えたこと。数字としてみたらわずかな変化に見えますが、影響は甚大です。「平衡系」は微妙なバランスの上に成り立っているのですから。具体的には、海水に溶ける二酸化炭素が増えると固体の炭酸カルシウム(CaCO3)が増えます。そのとき炭化カルシウム(CaC2:プランクトンの栄養源)が分解されて炭酸カルシウムとなることにより、海水から栄養と酸素が減少します。この影響が深刻になる(「死の海」の海域が拡大する)のは21世紀半ばと予測されているそうです。
 温暖化の逆で寒冷化を引き起こすのが火山の噴火、それも破局噴火とかスーパー噴火と呼ばれる破壊的な規模のものです。本書では、アメリカのイエローストーンがもし噴火したら、人類全体に破壊的な影響を及ぼすのではないか、という嫌な予測が述べられています。
 そうそう,本書には「人為」の例も一つ扱われています。原子力利用です。きちんと管理できないものに誰かが手を出してそれで他の人が損害を被るのは、「天変地異」なみに人類にとって不利益な行為と言えそうです。


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