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2015年01月16日06:42

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100兆円

 最近はあまり聞かなくなりましたが、昭和の頃から10〜20年ごとにデノミネーションの声が上がっていました。たとえば「これまでの100円」を価値はそのままたとえば「1新円」と呼ぶようにする、ということです。プラザ合意の後、急速に円高が進んでいた頃「1ドル100円になったら、ちょうど切りが良いからそれを契機にデノミを」と本気で主張している政治家もいたと私は記憶しています。
 最近はデノミはあまり人気がないようですが、新年度の予算が96兆円というのを聞くと、“キリのよい”100兆円になる前にデノミをやって桁を下げておいた方が良いのではないか、なんてことも思いました。国の借金も桁が減った方が、“警戒マインド”に何か良い影響が出るんじゃないです?

【ただいま読書中】『剣客商売』池波正太郎 著、 新潮文庫、1985年(2000年47刷)、514円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4101157316/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4101157316&link_code=as3&tag=m0kada-22
 剣豪小説、と言うにはちょっとためらいを感じる本です。
 主人公は、還暦の老剣士秋山小兵衛(名前の通りとっても小柄)とその息子大治郎(名前の通り割と大柄)。どちらも凄腕なのですが、父親は柔・息子は剛と、体格と同様剣のほうも対照的です。さらにそこに美少女剣士三冬や小兵衛が手をつけてしまった女中のおはる(まだ未成年!)が主要な登場人物として登場し、一種の家族の物語も展開されます。で、こういった秋山家に次から次へと相談事というかトラブルの種というか、が持ち込まれます。
 おっと、重要な登場人物、じゃなくて、登場物を忘れていました。食べ物ですが。大治郎は毎日毎日麦飯と根深汁(葱のみそ汁)を飽きずに食っています。たまにみそ汁に田螺が入ると「うまい」と珍しく感想を漏らします。小兵衛のところに鯰が届くと、その料理法が細かく指示されます。目の前にその料理が出てくるような雰囲気が、行間から立ち上ります。
 それにしても「剣客」を「商売」と言うとは、大胆です。ただ、この商売で扱われるのは、金と命のやり取りです。負ければ終わりですが、勝っても敗者の恨みを背負って生きていかなければなりません。勝てば勝つほどその恨みの重みは増していくのです。なんともやりきれない「商売」ですが、それを背負って、飄々と、あるいは凜と生き続ける人たちの姿は、気張っていないだけ凄みを感じさせます。
 全16巻のシリーズだそうです。昔途中まで読んだはずですが、幸いなことに記憶はきれいさっぱり蒸発しています。あらためて最後までゆったりと読んでいきたくなりました。急いで読むのはもったいない。


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