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2015年01月08日06:56

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犬も歩けば棒に当たる

 「犬も歩けば棒に当たる」は、今では何か思いがけない幸運に出くわす、という意味合いでも使われていますが、もともとは「棒で殴られる」という意味だったそうです。昔の日本では犬は放し飼いが普通、というか、「飼い犬」という概念がありません(町とか村を縄張りにした犬の群れが、人間と共存して勝手にうろうろしている状態です)から、人間も平気でぶん殴っていたのでしょう。
 ちなみに「いろはかるた」で「犬」は江戸。大阪は「一を聞いて十を知る」、京は「一寸先は闇」ですから、いろはの「い」に関しては江戸と京は親和性が高い、と言えそうですね。

【ただいま読書中】『犬も歩けば物理にあたる ──解き明かされる日常の疑問』ジャール・ウォーカー 著、 下村裕 訳、 慶應義塾大学出版会、2014年、2000円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4766421647/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4766421647&link_code=as3&tag=m0kada-22
 「スパゲッティをすすり込んだら、最後にソースがはねるのはなぜか」「トーストはなぜバターを塗った面を下に落ちるのか」「高温のコーヒーやスープでは火傷しにくいのに、同じ温度のピザではなぜ火傷するのか」といった「食卓の疑問」。「黄身が入るとなぜメレンゲができないのか」「食品用ラップフィルムはなぜ容器にくっつくのか」といった「台所の疑問」。「シャワーを浴びるときシャワーカーテンが内側にはためくのはなぜか」「二枚刃の剃刀で髭を剃るときの最適スピードは」「浴槽の排水口の渦は北半球では左巻きか」といった「風呂やトイレの疑問」。「鉛筆の芯はどこが折れやすいか」「輪ゴムを引っ張ると温度が上がるのはなぜか」といった「書斎での疑問」。あと、野外やスポーツや音楽などでの「日常での疑問」に物理学でまっとうに一つ一つ答えようとしている本です。
 私が一番笑ったのは(そしてあらためてよく考えてしまったのが)「トーストはなぜバターを塗った面を下に落ちるのか」です。「それはマーフィーの法則だ」ではなくて、テーブルから押し出されたトーストがバランスを失って回転しながら落下するときの運動を解析して答えを出しています。一見不真面目な疑問でも、大まじめに取り組めばとても面白いものが見えてくることもあるようです。私は本書を不真面目に楽しんでしまいました。


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