mixiユーザー(id:7656020)

2012年03月24日20:16

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封切日の映画なので

多くを語るわけにいきませんが、「ウルトラマンサーガ」はいわゆるお祭り映画の難点を克服した、実に気持ちいい映画でした。初めてゼロが登場した「大怪獣バトル・ウルトラ銀河伝説」での感想は「こんな映画が見たかったんじゃない!」の一言に集約されるもので、そのせいでこんな歳にもなって自分でウルトラマンのお話を書き始めるハメになったわけですが、2作目の「ウルトラマンゼロ・ザ・ムービー・超決戦・ベリアル銀河帝国」では別の宇宙という舞台を与えることで、いい意味で目先の変わった映画になっていました。そしてこの映画でもたらされた並行宇宙という概念を利用して、我々の地球よりは少しだけ科学の進んだ地球にゼロを呼び、地球を守るウルトラマンという路線にもう1度戻したのが今回の「サーガ」ということになります。

けれどこの映画、これまでのお祭り映画が陥りがちな欠点を相当意識して克服しようとした形跡が伺えます。まずポスターに出ているウルトラマンやセブン、エース、レオといった先輩格のウルトラマンは光の国でゼロを案じる姿が描かれるだけで戦いの舞台にはやってきません。これまではラスト近くで応援にかけつけたりしてどうしても数の力で敵を倒した印象を免れなかったものでしたが、今回は最初から戦いのステージに上がっているゼロ、ダイナ、コスモスの3人で最後まで通しているのが大賛成。こうでないと彼らが頑張ったんだという印象には絶対なりませんから。そしてもう1つ良かったのが人間を戦いの重要なキーポイントにうまく絡ませていること。巨大ヒーローと怪獣の戦いにおいては絶対的な力では取るに足らぬ人間を絡ませるのはなかなか難しいものですが、戦いのプロセスで両者の力が伯仲する瞬間をうまく狙えば、その小さな力が局面を左右することが可能になる。去年マイミクさんと合作させていただいた時にも念頭に置いていた点ですが、この映画もとてもいい形でそれがなされています。僕にとってこの映画は「こんな映画が観たかった」あるいは「こんな映画にしたかった」という感想を呼び起こしてくれるものになっていた点がなにより嬉しく思います。

その他にも2つばかり指摘するならば、まず敵方の怪獣の変身がこれまでは後半でより大きな姿になっていたのが、この映画は前半が大きな怪獣型で、後半が小さな宇宙人型という縮む形になっている点。物足りなさに繋がらないよう、前半では重量感はあるけれど動きは速くない描写が強調され、後半での俊敏さをうまく印象づけているのが工夫点。もう1つはアイドルの印象が強いといわれ続けてきたキャストの対策が、劇中の設定でうまく施されていたこと。実はプロの戦闘集団などではない一般人が子供たちのために無理して頑張っていたという設定は、演技につきまといがちなぎこちなさを逆手に取ってリアリティを出すことに成功していたように感じました。

方向性を変えることでお祭り映画の弱点を免れていた昨年の映画とはまた異なり、正面から課題の克服を図った今回の映画。実に見応えがありました。未見の方はぜひ。


地下版サーガプロジェクト00:また悪い虫が(汗) →
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