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2011年02月13日20:19

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『太平洋の奇跡〜フォックスと呼ばれた男〜』

武蔵村山にて鑑賞。
http://www.taiheiyo-no-kiseki.jp/index.html

前評判通り良かった。
非常に真面目に、丁寧に作られた戦争映画。

強固な防御陣地で持久戦を展開した硫黄島や沖縄とは違い、サイパン戦に関しては、マリアナ沖海戦に惨敗し米軍の上陸を許した後は、早々と玉砕したといったような印象しかなかった。
本作の主人公である「大場栄大尉」についても、この映画に出逢うまでは全くの無知であった。
多少軍事・戦史に興味を持っている私でさえ知らないのだから、大多数の日本人については言うまでもないであろう。
戦後七十年、こういう人物に今、光があてられている。
それだけでも本作の存在意義は十分にある。
過去を美化する気も、侵略行為を正当化する気も毛頭無いが、先の大戦を戦い抜いた先人達に、思いを馳せる作品が作られていることを率直に嬉しく思う。

さて感想であるが、主役竹野内豊以下主要キャストの熱演もさることながら、日本兵を演じたエキストラが素晴らしい。
画面の隅に映る名もなき端役に至るまで、険しい軍人の顔付になっていた。
聞くところによれば、撮影にあたり数ヶ月間の軍事教練を行ったとか。
軍人役程、役者の役作りに差がでる役柄もあるまい。
銃の構え方、敬礼等の所作、言葉遣い、容貌、、、
ここを少しでも手を抜くと、途端に嘘っぽくなってしまう。
こういう所に制作陣が、どれだけ本作に対して真摯に向き合ったかが伺える。
唐沢寿明演ずる堀内一等兵は、流石に映画的過ぎるキャラクターではあったが。

やや感傷的ではあるものの、しっかりと泣かせる場面もあり、戦闘シーンも邦画特有のチャチさを感じさせない。日米双方への配慮もある。
勿論予備知識があったほうがより理解は深まるが、普段戦争映画に馴染みがない層もそれなりに受け入れられるのではないか。

本作のような作品こそ、是非ヒットしてほしいと願う。
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