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2026年09月29日06:15

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洞窟最奥部で見つかった謎の古人類ホモ・ナレディ20個体は全員女性だった!(上):アメロゲニンで判定

 今から約30万年前、私たちホモ・サピエンスの古い親戚である絶滅種ホモ・ナレディ(Homo naledi)の少なくとも20人が、南アフリカの洞窟の中で永遠の眠りについた。
 このほど研究者たちは、歯の表面の蛋白質を使った新しい性別判定法により、調べた20個体すべてがおそらく女性と考えられるという結論に達した。研究結果は2026年6月24日付けの学術誌『Cell』に報告された。

◎華奢な女性でなければ入れない洞窟最奥部で
 論文の共著者で、南アフリカのヴィッツヴァーテルスラント大の古人類学者のリー・バーガー博士は、2013年にライジング・スター洞窟系でホモ・ナレディの化石を初めて発見した(写真)。
 彼らは、2人の洞窟探検家からの情報を手がかりに、地下深くの空間で約1500点の化石を発掘した(写真)。
 この空間へは、長さ約30メートルの曲がりくねった通路の突き当たりにある狭い縦穴を通らないと到達できない。そのため最初の調査では、華奢な体躯の女性に全面的にまかせ(写真)、バーガー博士は洞窟奥から送られてくるテレビ画像で観察した。
 研究チームは当初、比較的大きい骨格の一部は男性のものと推測し、男女の個体数はほぼ同じであると考えていた。だが今回、これまで男性としていた標本が女性である可能性が高いことが分かった。

◎男性と見られた大型頭蓋も女性
 「ネオ」という愛称で呼ばれる頭蓋は、発掘されたホモ・ナレディの骨格の中で最も大きく、DH3と呼ばれる頭蓋は最も小さい部類に入る(写真=左が「ネオ」)。新たな結果によると、どちらも女性のものである可能性が高いという。
 「この結果は非常に刺激的で、ライジング・スター遺跡の文化的・象徴的な重要性を示唆している」と、オーストリア、ウィーン大の考古学者であるカテリーナ・ドゥカ博士は言う。「他の生物学的説明が見つからない限り、これは先史時代に関する、類を見ない、おそらく不可解な発見だ」と、付け加える。

◎3分の1の小さな脳なのに現代人的行動
 ホモ・ナレディは、何から何まで異質なホミニンだった。年代は約30万年前のホミニンなのに現生人類の3分の1の大きさしかない脳と、より古いホミニンの仲間のように木登りに適した肩と、現生人類のように大股で歩ける長い脚を持っていた。ちなみにこの頃、南部アフリカにまだ生息していたホモ・ローデシエンシスやヨーロッパのホモ・ハイデルベルゲンシスは、現生人類に近い脳を持っていた。こうしたつホモ・ナレディは、発見当初から古人類学者たちを困惑させてきたのだ。
 ホモ・ナレディはライジング・スター洞窟で意図的に死者を埋葬し、火を焚き、石器を使って壁に象徴的な幾何学模様を刻んだ、とバーガー博士のチームは主張している。これらは、ホモ・サピエンスのような大きな脳を持つ種と関連付けられることの多い現代人的行動だ。だからホモ・エレクトス並みの脳で(ちなみにホモ・ナレディ並みの小さな脳は、彼らよりずっと新しいホモ・フロレシエンシスもそうだが、フロレシエンシスも現代人的行動を残していない)、現代人的行動が可能だったのか、今も議論が絶えない。

◎「鳥肌が立つような発見」
 さて今回の新発見は、ホモ・ナレディたちは洞窟で何をしていたのかという謎をさらに深めるものであり、彼らが高度な能力を持っていたことの強い裏付けになるかもしれない。
 バーガー博士は、「鳥肌が立つような発見だ」と嘆息する。「チンパンジーほどの小さな脳を持つ古代型人類が、『この世界には女性だけのための場所がある。ここは死んだ女性たちのための重要な場所だ』と言っているのを目の当たりにしているのだから」。

◎歯のエナメル質に含まれる蛋白質アメロゲニンで性別判定
 では、20個体の性別をどうして女性と判別したのか。
 化石の性別を判定するならDNAを分析するのが確実だが、ホモ・ナレディの化石は古く、DNAの劣化が激しい。また、見つかっている骨格の数が少ないため、骨の形状から性別を確実に判定することも困難だ。
 そこでバーガー博士は、デンマーク、コペンハーゲン大学の分子生物学者のエンリコ・カペリーニ博士らと共に、歯のエナメル質に含まれる「アメロゲニン」という蛋白質を調べて性別を判定することにした(写真=分析した歯)。アメロゲニンは、女性のX染色体上の遺伝子に由来するか、男性のY染色体上の遺伝子に由来するかによって、わずかに形が異なるからだ。
 研究チームは20個体体のホモ・ナレディの化石から歯の一部を切り取ったり、エナメル質を削り取ったりしてサンプルを採取し、エナメル質のアメロゲニンを調べた。
 分析の結果、19体のサンプルからは男性型のアメロゲニンが確実に欠如しており、残りの1体からも欠如している可能性が高いことが分かった。これまで男性とされていた「ネオ」の歯にも、男性型のアメロゲニンは見られなかった。

◎新石器時代には例があるが
 1カ所で出土した骨が女性に偏るという例は、他にあるのだろうか。
 「全員、衝撃を受けた」と、論文の筆頭著者でドイツ、マックス・プランク進化人類学研究所の分子生物学者であるパレサ・マドゥペ博士は語る。性比が女性に偏っていた例は、他にポルトガルの洞窟の新石器時代例しかなく、研究者たちは性比の偏りをその地域の新石器人の埋葬慣習と関連付けている。発展した文化では、性別によって、ここは男性の墓、ここは女性の墓、と定めることはあるが、旧石器人にはそうした例は知られていない。
 今回調べられたホモ・ナレディの骨格は成人10個体と乳児や幼児を含む子ども10個体だったが、男児は1人もいなかった。この発見は特に興味深い。子どもは母親に強く依存しているため、赤ん坊の中には男児が数人いると予想されていた。ホモ・サピエンス旧石器人でとえ、男児は母親と一緒に葬られることがほとんどなのだ。
(この項、続く)

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昨年の今日の日記:「バルト3国とポーランドを瀬踏み挑発でNATOとアメリカの出方をうかがうプーチンの狡猾さ」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202509290000/

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