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2026年05月22日07:33

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1700年前のマヤ王墓と宝を発見、伝説のカラコル初代の王か、ベリーズのカーナ神殿群遺跡(下)

 ベリーズのジャングルの奥深くで、アーレン・チェイス氏(下の写真の上=カラコルのカーナ神殿;下の写真の下=王墓を調査するチェイス氏)のチームが発見したマヤ文明の王墓から様々な豪華な副葬品とともに1体の老人の頭蓋が発見された。

◎テ・カブ・チャクとは何者か
 応募内部の状況のすべてが、この人物は支配者であったことを物語っている、とダイアン・チェイス氏は指摘する。そう気づいた時には、鳥肌が立ったという。支配者、おそらくはテ・カブ・チャクのものだろうと言う(写真=翡翠で作られたデスマスクの破片)。
 カラコルの他の場所で見つかった碑文の記述によると、テ・カブ・チャクは460年以上にわたってカラコルを支配した王朝の創始者であり、その治世は331年頃に始まったという。今回見つかった墓自体には、埋葬されていた人物の正体を示す碑文は無く、その主張は年代を根拠としている。
 この墓が330〜350年頃のものとする研究チームの主張は、以下の2つの観察結果に基づいている。1つは、墓の中にあった土器が、初期古典期(280〜380年頃)の土器の典型例であったこと。そしてもう1つは、2010年に付近で発見された火葬墓の放射性炭素年代測定の結果だ。

◎王の可能性、ほとんど確実と調査者
 330年〜350年頃のものとされるこの火葬墓は、遺跡の地層の順序で墓よりも上にある。つまり新たに見つかった墓は同時期か、それよりも少し早い時期のものであることを示唆している。
 これらの証拠から、この墓はテ・カブ・チャクが王座にあった時代と非常に近い時代の支配者を埋葬したものだ、と研究チームは主張している。
 チェイス夫妻は、墓に埋葬されているのがテ・カブ・チャクであることを「99.9%」確信していると述べている。
 ただアメリカ、ブラウン大学の考古学者スティーブン・ヒューストン博士は、この墓が王族のものであることには同意しつつも、埋葬されていたのがテ・カブ・チャクであると結論づけるには、より説得力のある証拠が必要だと指摘している。

◎マヤとテオティワカンのつながりと力関係
 チェイス夫妻はまた、今回のカラコルでの発見が、マヤとテオティワカン(写真)との力関係の解明につながるとも考えている。
 今回の発見は、4世紀初頭のテオティワカン人とマヤ人の関係がどのようなものであったかを探る手がかりになる、とアメリカ・ボストン大学の考古学者デビッド・カルバーリョ博士は言う。両者の関係は、交易やテオティワカンへの巡礼、外交を中心としたものであったと考えられているという。
 テオティワカンとカラコルとの間の移動には、徒歩で1200キロの距離を歩く必要があった。

◎ティカルではテオティワカンの暴力的支配も
 378年、テオティワカンからやってきた人々が、マヤの都市ティカルにおいてクーデター、あるいは軍事侵攻を試みた。一部の考古学者は、「エントラーダ」と呼ばれるこの事件をきっかけとして、マヤ文化にテオティワカンの影響が見られるようになったと主張している(25年6月18日付日記:「古代マヤ文明の1600年前の祭壇を発見(後編):生け贄らしい多数の子どもの骨も」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202506180000/、及び25年6月17日付日記:「古代マヤ文明の1600年前の祭壇を発見(前編):異邦テオティワカンによる暴力的支配の跡」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202506170000/を参照)
 今回の発見により、マヤとテオティワカンとの交流が、それより少なくとも28年早い350年頃であったことが証明された、とチェイス夫妻は述べる。その最も有力な証拠となるのが、330〜350年のものとされる火葬墓だ。

◎火葬はテオティワカン上層階級の風習
 火葬は、テオティワカンのエリート層の間では一般的に行われていた一方、マヤでは遺体は土葬されていた。したがって、カラコルで見つかった火葬墓は、同地域の人々が、エントラーダの数十年前から何らかの形でテオティワカンの影響を受けていたことを示すものだ、とチェイス夫妻は考えている。
 火葬墓からは緑色の黒曜石の刃も見つかっている。夫妻によると、これもテオティワカン北部からもたらされたものである可能性が高いという。

◎DNAや安定同位体検査の結果が待たれる
 2025年の発掘シーズンで研究チームが得た知見は、まだ査読付きの学術誌には掲載されていない。夫妻は8月にアメリカ・ニューメキシコ州で開催されるサンタフェ研究所の「マヤ・ワーキンググループ会議」での発表を予定している。
 「通常は最初に学術誌に掲載し、その後マスコミに発表します」と、ダイアン・チェイス氏は言う。「しかし今回の発見は非常に素晴らしいもので、写真を見たいという要望が多かったため、何らかの形で先に公表したいと考えました」。
 今後は、骨からのDNAの抽出や、骨の安定同位体検査が予定されているという。氏によると、こうした検査からは、埋葬されていた人物が何を食べていたのか、生前は主にカラコルに留まっていたのか、それとも他の場所への移動が多かったのかなどについて、さらに詳しい情報が得られるという。
 そうした手がかりが、墓の主が実際にテ・カブ・チャクであったことを示す強力な証拠になると、氏は述べている。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202605220000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「疲れ果てた大阪万博、やたら並ばされ、物が高い逆別天地(1):大屋根リングは素晴らしいけど」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202505220000/

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