かつては不動のNTTが圏外に去り、代わって新興のソフトバンクグループ(SBG)とキオクシアが台頭し、古豪のトヨタと三菱UFJフィナンシャル・グループが返り咲き、丁々発止を繰り広げている。
◎目まぐるしいトップ争いと銀行株の復活
東証上場企業の時価総額トップ争いだ。そこに日本経済の構造変化が垣間見える
直近の9月18日の終値ではトップは、約44.15兆円のトヨタだった(表)。しかしこれは、不動のポジションではなかった。6月1日には生成AI関連のSBGがトヨタを抜いてトップに躍り出ると、4日にはトヨタが巻き返して逆転、12日には新興のキオクシアが一躍トップに躍り出た。ところがこのところの金利上昇を追い風に三菱UFJが首位に躍り出て、その後はトヨタと抜きつ抜かれつのトップ争いを演じている。
かつてバブル全盛の1989年頃は、銀行株が時価総額のトップ10の7銘柄を占めていたこともあったが、その後のバブル崩壊、不良債権処理などで大きく時価総額を落としていた。それが、見事に復活した。三菱UFJだけではない。三井住友FGも、26兆円弱と5位につけている。
◎キオクシアは上昇か下降か、はたまた停滞か
目覚ましいのは、データセンター向けにメモリー需要の急増しているキオクシアだ。 2024年12月18日に上場したばかりなのに、一時は時価総額が60兆円台に乗った。その後、大きく調整し、時価総額は半分弱に縮んでいる。
キオクシアが特異なのは、業績は絶好調で予想PERが4倍程度と超割安なのに、5万円台をなかなか抜けきれないことだ。同業のお隣韓国のサムスン電子とSKハイニックスも5、6倍程度なのに、今年半ばの勢いはない。
投資家は、数年後の半導体市況の軟調を予見しているかのようだ(市況産業について触れた26年5月25日付日記:「絶好調のキオクシアは買いなのか、予想PERは超割安を示すが」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202605250000/を参照)。
◎軟調なのにトヨタが堂々首位、かつての世界首位のNTTはトップ10の圏外
前記4社のうち、2月9日に4000円ジャストの年初来高値をつけたトヨタの株価もこのところ軟調だ(図)。トランプ関税は株価に織り込まれたと見られるが、円相場の動向と来期の目覚ましい躍進が見通せないからだ。成熟産業と見られていることも一因かもしれない。
それなのに時価総額トップにつけているのは、トヨタが日本を代表する企業とみなされているからだろう。
もう1つ寂しいのが、NTTだ。1987年5月11日には時価総額約48.6兆円を記録して、当時の国内トップに君臨し(のみならず世界でもトップだった!)、長くその地位を保っていた。しかしその後のバブル崩壊とリクルート疑惑に巻き込まれ、低迷の泥沼にはまり、なかなか浮上せず、トップ争いの圏外にある。NTTの技術力をもってすれば、SBGの後塵を拝しているのはなんとも愚かしい限りだ。やはり元電電公社の体質が抜けきれないのかもしれない。
◎リクルートの目覚ましい勢い
NTTの足を引っ張ったそのリクルートが、皮肉にも今は三井住友FGに肉薄する6位に浮上している。今年の勢いから(図)、ベスト5に入るのも間もなくかもしれない。
アメリカで展開するIndeedなどの「HRテクノロジー事業」がAIを取り込んで好調を維持している。「圧倒的当事者意識」と「フラットで自由な環境」を基盤に、徹底した成果主義と個人の成長を重んじるカルチャーがある。指示待ちの風土など全くない。
今は亡き創業者の江副浩正氏の遺伝子が受け継がれている。江副氏の残した社訓「自ら機会を創り、機会によって自らを変えよ」とこの文化がある限り、さらに成長していき、株価2万円も間もなく通過していくだろう(ちなみに先週末の終値は1万7350円だった)。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202609240000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。
昨年の今日の日記:「旧ユーゴ3カ国周遊(44):僕の選んだベスト10(前編)、絶景の連続、千変万化の水の色などの湖と文化遺産」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202509240000/
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