10円玉が最近の銅価の値上がりで地金価格が額面を上回っている。
最近の物価高とキャッシュ化でめっきり使いでのなくなった10円玉は、ポケットや机の片隅に眠っていることが多い。
◎10円玉の真の価値は10.5円?
最近の銅の値上がりは凄まじく(図)、直近の銅建値は1トン233万円にもなっている。銅価格の値上がりは、最近の生成AIの普及でデータセンターの投資が急増し、電線需要の急拡大が続いているからだ。電気自動車(AV)にも大量の銅が使われるから、こちらも増えている。最近は一服気味だが、金・銀の急騰に引っ張られた面もある。
銅貨だが10円玉は純銅ではない。ただ銅が95%と圧倒的だ。残りは、亜鉛が3〜4%、錫が約1〜2%となっている。重さは4.5グラムで、銅成分が95%だから、ほとんど銅とみなしていい。で、直近の銅建値でならすと、2.33円×4.5グラムで約10.5円、となる。
5円玉の場合は、銅と亜鉛の合金で、さらに額面より地金時価が高い。6.4円もする。辛うじてアルミがまだ安い1円玉は、素材価値が7割程度に留まる(写真=10円玉と1円玉)。
◎かつて100円玉が銀貨だった時代があったが
さて、こうなると、銅線や蛇口を窃盗する連中もそろそろ目をつける頃かもしれない。10円玉を大量に集めて溶かし地金で売れば、儲かるからだ。ただ、それは違法で、貨幣損傷等取締法で1年以下の拘禁刑か20万円以下の罰金、となる。
それに1枚4.5グラムの10円玉を鋳つぶして意味のある銅価格にするのは、100キロくらいに、つまり2万2000枚以上集めなければ労多く割に合わない。
それで思い出した。100円玉は今でこそ白銅貨(銅75%、ニッケル25%)だが、昭和30年代は銀貨(銀が60%、30%、亜鉛10%)だった(写真)。重さは4.80グラムだったから純銀の重量は2.88グラムとなる。単純計算で銀の価値は、今は約1000円だ。
◎今、大量に出てきたらお宝
世界経済の成長につれて銀価格が高騰するうちに100円銀貨が不足するようになった。香港に大量に運ばれ(もちろん不法だ)、鋳つぶされて銀の延べ板にされているという噂だった。
今、100円銀貨が例えば地下から掘り出されたら、古銭業者の買取価格で1枚630円くらいになる。田舎の古い蔵から大量の100円銀貨が出てきたら、ちょっとしたお宝だ。
10円だがお宝になるかは、貨幣単位が小さいから無理だと思う。
※これまでの銅の関連日記
・26年3月30日付日記:「銅は未来の我を支えてくれるのか、急増する需要背景に急伸する価格」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202603300000/
・21年6月10日付日記:「銅はどこまで騰がるのか、急増するグリーン需要をまかなえるのか?」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202106100000/
・10年7月15日付日記「銅はありふれた金属なのか? 枯渇の危機迫る:別子銅山、都市鉱山、リサイクル」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201007150000/
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202607050000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。
昨年の今日の日記:休載
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