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2026年06月26日05:21

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ハトはどうやって遠距離の所から巣に帰るのか、頼りの磁気コンパスは免疫細胞のマクロファージだった(前)

 ハトや他の鳥類は、「それ」ができる。ウミガメ、イセエビ、ガ、メクラネズミ、コククジラ、オオコウモリも、だ。

◎地球の磁場を関知できる動物たち、どうやって?
 彼らに共通する能力は、地球の磁場のわずかな変動を感知できることだ。だが、そうした動物たちは、どうやって磁場を感知するのかは生物学の最大の謎の1つであり続けてきたが、ドイツの研究チームが伝書鳩の体内コンパスのありかをついに見つけた、と発表した。
 それは目でも耳でもくちばしでもなく、驚くべき場所だった。肝臓にある免疫細胞が関わっているという。論文はアメリカの科学週刊誌『サイエンス』に5月28日付けで掲載された(写真=報告の載った『サイエンス』誌の表紙)。
 磁気の感覚は1世紀にわたる謎であり、それがどこにあり、どのような仕組みになっているかは誰も解明できなかった、しかし我々は筋の通る答えを見つけられたと思う、と論文の共著者で、マックス・プランク動物行動研究所の所長のマルティン・ビケルスキー博士は説く。

◎着想は19世紀から
 地球の内部には、液体の鉄とニッケルから成る高温でドロドロの「海」が渦巻いていて、この溶けた金属の動きが地球を巨大な磁石に変えている(図=地球は巨大な磁石)。地球の磁場は宇宙空間まで広がり、人間を含むすべての動物を危険な宇宙放射線から保護している。
 動物学者たちは19世紀には、鳥類は地球の磁場を利用してナビゲーションを行っているのではないかと考えていた(写真)。そう考えないと、毎年、決まった営巣地に戻ってくる渡り鳥の謎が解けないからだ。1960年代の実験では、飼育下のヨーロッパコマドリが人工の磁場に応じて動きを変えることが示された。
 それ以来、磁気への感受性のある動物のリストには、サメやサケなどの魚類や他の多くの動物が加わった。これらの動物たちは、体内のどこかにある生物学的なコンパスを使って、地球の深部から届く、目には見えない磁気を手がかりに自分の現在地を知り、空や海を越えて壮大な旅をしている。
 だが、「磁気受容」と呼ばれるこの不思議な感覚の仕組みは未解明のままだった。

◎ちょっした「ひらめき」
 目や耳が光や音を捉えるために体の表面近くになければならないのとは違い、地球の磁場を感知する器官は、理論上はどこにあってもかまわない。なぜなら、地球の磁場は動物の体を完全に貫通しているからだ。
 科学者たちは長年にわたり、鳥が地球の磁場を感知するのに利用しているのは目の中にある物質なのか、くちばしに含まれる粒子なのか、内耳の液体なのかをめぐって激しい議論を交わしてきた。
 先述のビケルスキー博士の探求は、10年以上前に、国際学会のコーヒーブレイク中に免疫学者のクリスチャン・クルツ博士と出会ったことから始まった。
 ビケルスキー博士は鳥類の渡りについて研究している一方、クルツ博士は古い赤血球を取り込んで鉄を蓄積すると磁気に反応するようになるマクロファージ(写真)という免疫細胞について研究していた。
 クルツ博士に、ある着想がひらめいた。免疫細胞がナビゲーションに関与しているかどうかを検証できるかもしれないと思ったのだ。
(この項、続く)

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202606260000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「吉村昭著『軍艦と少年』の戦艦「武蔵」に関わった少年の不運な人生」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202506260000/

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