博士と狂人

オックスフォード英語大辞典の編纂という大事業を成し遂げた変人の学者とボランティアとして参加し多大な貢献をした精神病院の患者で元殺人犯の医師、というキワモノ的登場人物による友情と葛藤の歴史秘話。
変人学者をメル・ギブソン、元殺人犯の医師をショーン・ペンという名優だけど暴れん坊の二人が共演する。学問をテーマにした映画だからまだ静かな感じで見れるけど、この二人が犯罪モノで共演したら刺激的でヤバそうだ。
オックスフォード英語大辞典というモノ自体知らないのでその誕生秘話に何の感慨も無いのだけど、でもまあ辞典を作るのは大変だろうし、そこにこんな面白い秘話があったとは。実に映画向けの実話じゃないか。
メルもショーンも熱演で変な人間関係が面白い。昔の精神病院の院長や看守は悪人ぽく描かれることが多いけど本作はそうでもなく、院長はやや悪人ぽく描かれてしまったけどそれでも患者の治療優先の考えの持ち主で、精神病院を地獄のように描いていないところが良い。
キワモノ映画の体裁を少し取りつつ実際はアカデミックな映画だった。