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2009年01月24日22:44

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MDへの録音の意義について

ようやく装置のコンディションに納得できるようになったので、今年は長年の懸案だったCDからMDへの録音を本格化させようと思います。

そもそも純粋に音質のクオリティだけを問えば、いかなる録音もなにがしかの劣化を伴わないものはありません。デジタルコピーは理論上まったく同じものを複製できることになっていますが、これとて実際には微細な情報の取りこぼしを免れないはずです。そもそもCDプレーヤー自体に読み取れなかった情報を補完する回路が組み込まれているのが実状なのですから。
ならば、録音には音質の劣化を補うだけの音楽的な意味がなければ無意味な行為ということになります。

クラシックを想定するなら、録音する意義はそうすることで演奏の本来の姿により近づくことが期待される場合に生じるというのが僕の考えです。これは大きく分けると2つのケースが考えられます。1つはもともとの音質が演奏の姿を歪めているから補正する必要があると判断されるケース。もう1つが収録時間の関係上演奏の途中で音が切れている音源をつなげて録音するようなケースです。これは片面の収録時間が実用上30分だったLP時代に多かったケースで、「合唱」や「幻想交響曲」など面の替わり目で切れている楽章をずいぶんカセットにつなぎ録音したものでしたが、CD時代の今はMDモノラルモード以外はメディアどうしの収録時間が同じなので、あまりこういうケースはみかけなくなりました(MDモノラルモードならモノラル収録のオペラなど、幕の途中で切れている音源を今もつないでいけますが)
今回取り組もうと考えているのは1つめのケース、つまりCDの音質自体に問題があるからより本来の響きに近くなることを目指して録音しようというものです。
録音が存在しなかった時代の音楽であるクラシックは、当然ながら録音されることを予測したり前提にしていません。特に編成の大きいオーケストラ作品などは収録自体が困難で、様々な苦労を重ねて改善されてきた歴史があり、しかもそれは直線的にではなく曲折を経ながら発展してきたという経緯があります。そのうえ再生される装置の発展の歴史が重なって、さらに複雑な様相を見せています。ステレオ録音が普及した60年代は見かけは大きいけれど強度不足で盛大に鳴る低音がだぶつくスピーカーが多かったので、LPメーカーでは(LPの針跳び防止も兼ねて)低音をカットし音像を強調する傾向が顕著でしたが、70年代後半からのスピーカー小型化の流れがCD登場に伴い一気に加速化されたことで、その時代の音源はそのままでは非常に聞きづらいものになってしまっています。想定される再生環境という前提が崩れているのですから当然ですが。

クラシックのコレクターなら様々な時代の録音状態のバラバラな音源を持ちあわせていると思われますが、それらに合わせた装置を幾通りも備えられる環境にある方は少ないはずで、ほとんどは1種類の装置でなんでも聴いているのが実状のはずです。けれどそれでは古い録音など、当時の再生音とはかけ離れた状態で聴くことになりかねず、オーディオに無頓着な方だと音質の印象に演奏の印象まで引きずられているようなケースさえ見かけることがあります。こういう音源はやはりグラフィックイコライザー等で適切な補正を加えてやる必要がありますが、最近はグラフィックイコライザーそのものが店頭になく、マランツから出ているものも部屋の音響特性の補正用という位置づけのため使いにくいのが残念です。我が家で使っているのはソニーから出ていた左右連動型のローコスト品ですが、ソースの補正用としてはその方が断然使いやすいです。マランツのは左右独立型ですから音質補正用としては不向きです。
ただ、グライコでの音質補正をするためには、その前提として部屋の音響特性込みでの装置の音自体に癖がないことが求められますが(でないと音源の音を直しているのか装置の癖を直しているのかわからない)これがなかなか実現困難で、思い立ってから四半世紀もたった今になってやっと取り組む決心がつくところまで持ってくることができました。これからは古い音源をより本来の姿に近い響きで聴いていきたいと思っています。

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