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2022年04月03日02:59

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風林火山伝 第91話  信玄と信長との対決

しかし、織田信長は今川義元の金縛りをかけられたが、不思議な力が体内からわき、
義元の金縛りを解いたのであった。その不思議な力の秘密は熱田神宮の悪霊退散の
お札にあった。信長は永禄3年(1560年)に桶狭間の戦いの前に戦勝祈願として熱田神宮を参拝したとき、神主より戦勝祈願時に信長に悪霊退散のお札を授けたのであった。
その後、信長はその悪霊退散のお札をお守り代わり持っていたのであった。

「まさか、こんな時にこのお札が役にたつとは。義元め!  観念しろ!。」といい信長はへし切の刀を抜き、義元が乗り移った信玄の太刀を受けとめた。信玄の太刀は第13代足利義輝から拝領したと伝わる星月夜正宗であった。信長の太刀から悪霊退散のお札の威力が信玄の太刀に伝わり、義元はその威力に耐え切ることができず、乗り移っていた信玄の体から抜け出し、「信長め、まさか悪霊退散のお札を隠し持っていたとは。なかなかやるのう。信玄よ、もはやお主の体を借りて、信長討ち取ることはできぬ。あとはお主の力で信長を討ち取るのだ。わしはそばでお主を見守っている。」と義元の霊は言った。

「信長殿!勝負だ!この信玄が相手だ。」と信玄はわれに戻り、信長のへし切の太刀を受け止めながら言った。

「信玄よ、望むところだ。これで正々堂々、お主と勝負できる。このへし切の太刀の威力を思い知れ!」

しばらくするとへし切の太刀の威力で、信玄の名刀、星月夜政宗はへし切の刀の威力に耐えきることができず、刀の真ん中から真二つに折れてしまった。信玄は刀を失い、危機一髪の状況に陥った。

そして、信長が信玄の首を刎ねようとへし切の刀を振りかざしたとき、信玄はすかさず風林火山の軍配を差し出し、軍配で信長のへし切の太刀を受け止め、へし切を跳ね返した。信長は再び、信玄に向かってへし切の刀を振りかざしたが、信玄はまたもや風林火山の軍配にてへし切の刀を跳ね返した。この風林火山の軍配は特殊な青銅でできており、へし切の刀の切れの鋭さをしのぐ頑丈な軍配であったのだ。信長は今度は意表をつき、へし切を下から救い上げるように信玄の胴めがけて振り上げたが、信玄は軍配を上から振り下げ、へし切をはじき返した。へし切は軍配の威力に耐えることができず、ついには信長の手から離れ地面に落ちてしまった。

そばで見守っていた義元の霊は「信玄よ!よくやった。今が信長のとどめをさすときぞ!」と信玄にささやいた。

信長は義元の霊が背後で、信玄に力を貸していると思いこみ、信玄を見守っている義元の霊を退散させようと悪霊退散のお札を取り出した。義元の霊はだんだん威力を弱めながら「頼む、信玄よ、その悪霊の札を信長から奪いとるのだ。わしはこんな風に成仏したくない。」と信玄に言った。

信玄は義元の霊の願い通り、信長の悪霊退散お札を奪いとり、お札を焼き捨ててしまった。そして義元の霊は威力を取り戻し、「信長よ、この義元がお主に天誅を加えるまでよ!信玄よ、やはり、信長はわしがとどめをさす。信長から離れるのじゃ!」と言いながら、天から雷を呼び起こし、信長目掛けて雷を落としたのであった。

                                 つづく


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