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2018年05月05日07:28

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反対語

 「勝利の女神」の反対語は「敗北の男悪魔」? まあ、悪魔は最初から敗北させたいものでしょうけれど。

【ただいま読書中】『少女を殺す100の方法』白井智之 著、 光文社、2018年、1700円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/433491201X/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=433491201X&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=73672adfb3b368226fdfd5ee30e212cb
 目次:「少女教室」「少女ミキサー」「「少女」殺人事件」「少女ビデオ 公開版」「少女が町に降ってくる」
 ポール・サイモンに「恋人と別れる50の方法」という歌があります。もっとも歌詞の中に登場する「方法」は一桁ですが。で、本書には本当に少女を殺す方法が「100」登場するのかな?と思いながら私はページを開きます。
 いやあ、びっくり。14歳の少女が殺されます。まとめて殺されます。それも血しぶきと肉片をまき散らしながら。教室の中で20人(プラス一人)が射殺と死体損壊。フードプロセッサーのような装置の中で5人ずつまとめて数回。小説の中で20人。冷凍庫にはぎっしりと少女の死体。空から降ってくるのは毎年20人(プラス一人)。たしかに100人以上は殺されています。ただし「殺す方法」の数は100はありません。
 非常にスプラッタな現場ですが、一応「殺人の謎解き」の小説です。たまたま出くわした「修羅場」で冷静に観察する人が「探偵」。被害者は……誰なんでしょうねえ。時代劇で悪役の「出会え出会え」でわらわらと現れて正義の味方にばったばったと次々斬られてしまう人のように、名前もないまま(あっても単なる記号で)あっさり殺されてしまう少女たち。もともと推理小説で「被害者」は「殺されるのが役目」ではありますが、少なくとも殺されるための「物語」やそれぞれの人の「名前」や「人生」を持っています(連続殺人事件とか偽装のために巻き添えで殺される場合もありますが)。だけど本書の「少女たち」の多くは無名の被害者です。「謎」はたしかに解かれますが(一つ例外の作品もありますし、「犯人」はわかってもそれ以外の巨大な謎は未解明の場合もありますが)。いや、これは、本格でもなければ変格でもない、なんと表現したら良いのかわからない「殺人の謎解き小説」です。好みはひどく分かれるでしょうねえ。私は少なくとも、嫌いではないです。


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