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2017年05月21日11:39

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劇的汚職防止効果

 NHKで「汚職撲滅を目的として、役人を対象に『昔の汚職役人がひどい目に遭う劇』を見せる」という中国の試みが紹介されていました。義務というか職務の一環として劇場の客席を公務員が埋めているのですが、そこでは、居眠りをしたり、スマホでゲームをしている人たちの姿が。
 それはそうでしょう。子供だましの劇を見て「心を入れ替えました」という公務員が出現するとは思えませんもの。というか、こういった劇が不必要な人(汚職をしない人)はこういった劇を最初から観る必要はないし、すでに汚職をしている人はこういった劇を観ただけで簡単に心を入れ替えるとは思えません。つまり、この劇の効果は「ゼロ」です。
 なんのためにやっているんでしょうねえ。これがまだ、幼稚園で公演、だったら少しは意味が生じたかもしれないのですが。

【ただいま読書中】『イトマン事件の深層』朝日新聞大阪社会部  著、 朝日新聞社、1992年
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 本書では「バブル」が日本にもたらしたのは「一億総中流社会を破壊して格差社会にしたこと」との認識をベースにしています。
 バブルでは、雅叙園観光(目黒雅叙園とは別の会社)をめぐっても不明朗な大金が動いていました。地上げ・仕手株・手形の乱発・絵画取引など複雑な取り引きに、社長や詐欺師、金の亡者、病的な嘘つき、暴力団の組長などが群がり、複雑な交渉(だまし合い)を行っています。読んでいて誰が誰とどんな取り引きをしているのか、私は頭が混乱してきます。きっと当事者たちも混乱していたのではないでしょうか。どうみても不合理な決定が次々登場します。「どちらが貸してどちらが借りたなど分からない」という証言さえ登場する有様です。
 オイルショック後の後遺症で倒産寸前のイトマンに請われて幹部として入社した河村は、猛烈な営業と人心の掌握により、会社を建て直しました。しかし、河村が甥にまかせた石油取り引きで巨額の欠損が生じ、10年続いた増収増益がストップ。焦った河村はさらなる増収増益に突進します。しかし、南青山の地上げは訴訟合戦となり、居酒屋チェーン「つぼ八」とも大きなトラブルを引き起こします。そこに許永中が絡んできます。
 京都の近畿放送(KBS)は巨額の簿外債務によって許永中と関係ができ、イトマン事件に引きずりこまれていきました。土地高・株高を演出することで利益を追求してきた住友銀行も、ついに限界に直面します。そして1990年10月、イトマンの終わりが始まります。ついに大阪地検が動き始めます。しかし、事件のあまりの複雑さに検察官も「暗中模索」「海図なき航海」といった有様でした。
 暴力団や政治家も動き回っていましたが、マスコミや検察や警察の関係者にも不明朗な動きをする人間がいます。汚物には蝿がたかるように、「イトマン」の回りにも“蝿”が大量に発生していたようです。で、たぶん、それは「イトマン」に限った話ではないでしょう。


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