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2021年04月14日06:57

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エル

『エル(Él)』メヒコ1952年公開、ルイス・ブニュエル監督、アルトゥーロ・デ・コルドヴァ、デリア・ゲルセス、アウローラ・ワルケル、ら。
品行方正、敬虔な四十路のカトリック信者フランシスコ(アルトゥーロ・デ・コルドヴァ)が、教会で出会ったグロリア(デリア・ゲルセス)に一目惚れ、グロリアに婚約者いるのも顧みず虚突猛進、果たして略奪婚出来たものの異常な嫉妬心と猜疑心を振り回す男の半生。何度も夫を信じ直し立ち治らさせようと健気さを振り撒いたデリア・ゲルセスの努力も遂には限界。新婚旅行と思わしき夜行列車の二人旅、目的地の晴天グアナファトは眩しく、殺伐とした展開の中にも一涼をもたらしてくれます。タラスコ語で「カエルが住む山地(Quanax-juato)」が語源らしい銀山に恵まれた憧れの街グアナファト、モノクロながら美しいグァナファトを楽しめる映画作品でもありました。ブニュエル持ち前の演出が全開し、精神医学の権威ジャック・ラカン(仏)が講義材料として取り上げた、とか、ベルイマンやヒッチコックにかなりの影響を与えたはず、、、との事。成る程。修道院では更生出来たはず、と思わせた後の伝説ジグザグ歩きラストシーン、呪縛は全く解けておらず、見事に裏切られた感あり。「私が無神論者であるのも、ひとえに神のおかげである」と語ったとされるブニュエルをここでも見せ付けられた様な気分です。
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