初恋問答

『初恋問答』1950年、斎藤良輔脚本、渋谷実監督、山口淑子、井川邦子、佐分利信、佐野周二、ら。
ドタバタ喜劇ではありますが、やはり山口淑子の輝きようといったら、只者ではないです。小柄な体が躍動していますし、顔の表情も常に躍動している感じです。一言一言の台詞も実に聞き取り易いです。李香蘭としての女優が妖艶ならば、山口淑子は戦後に周りを照らし続ける希望の太陽でしょうか。上前歯並びが少し平たいところもまた魅力を引き立てているのかと思います。山口淑子の妹を演じた井川邦子も負けじと東京でダンサー勤め、なかなか堂々たる踊りっぷりです。山口淑子の女中役をしていた大食いの望月優子って、女優から日本社会党の参議院議員に転身していたんですね。佐分利信と佐野周二はいつもながらの名コンビ振りでした。高利貸しのお婆さんを演じた沢村貞子、ドラマ「意地悪婆さん」のような立ち振舞いに他作品との違いを発見しました。