「段ボール」って、なぜ「段」「ボール」なんでしょう?
【ただいま読書中】『段ボールのひみつ』出口由美子 漫画、栗生こづえ 構成、学習研究社(まんがひみつ文庫)、2008年
http://www.rengo.co.jp/topics/2009/09_topi_004.html
段ボールは、二枚のライナ(真っ直ぐな厚紙)で中芯(波形の厚紙)を挟んで作られています。
19世紀のイギリスで、シルクハットの内側に通気性を良くするものとして波状に折った厚紙を入れました。それを包装材として使い始めたのが1871年のアメリカ人。しかし単に波状に折っただけでは髪はすぐにへたってしまいます。そこで片面に厚紙を裏打ちとして貼った「片面段ボール」がオリバー・ロング(アメリカ人)によって作られ、1882年にもっと丈夫なものとして両面段ボールがロバート・H・トンプソンによって発明されました。それが箱になったのは1894年。
日本では、1909年(明治42年)井上貞治郎が「それ」の国産化を志し、製造機を作ってしまいます(紙の博物館に1号機の復元が展示されているそうです)。紙ができたら命名。「段のついたボール紙」だから「段ボール」だそうです。最初期の「段ボール」は、稲わらを原料とした黄ボールという紙で作られました。そして、当時普通に使われていた木箱に対して、軽さ・丈夫さ・使用後にたためる・省資源(木材を他の目的に使える、古紙再生が可能)・宣伝効果(表面に印刷が可能)、といったメリットで木箱に置き換わっていきました。
組み立てやすさ、特殊な商品の梱包、輸送後に店内でそのまま展示に利用可能、など顧客からの要望は様々で、段ボールメーカーでは本当に様々な工夫をしています。「ただの段ボール箱」など存在しないようです。そうそう、フォークリフト用のパレットや空調ダクトも段ボールで作れるそうです。
本書は、子供に興味を持ってもらいやすいように漫画で書かれています。だけどその内容は手抜きをしていません。ついでに「漫画」としてもけっこう面白い。私は楽しめました。
ログインしてコメントを確認・投稿する