2017年3月刊行。九州豊後の安見藩の上意討ちとなった一族の、残された女たちの生きるためだけの戦いを、医者である桑山伊都子の目を通して描いている。
2017年4月刊行。御徒とは70俵5人扶持の抱席。御徒20組1番組の長沼家の娘、栄津の1830年の17歳から1868年の55歳までの女の一生を、年齢ごとに7編描いている。武家とはいえ貧しい江戸暮らしに翻弄されながらも逞しく生き抜く。
2014年4月刊行。偽の坊主と寺男が繰り広げる人情話。無住の荒れ寺に同い年の二人が住み着き、老け顔の方を千里眼の和尚に仕立て、元盗人が寺男として相談料をせしめる魂胆。
2015年5月刊行。第153回直木賞受賞作品。著者は1968年台湾生まれ。祖父は抗日戦士。エンタメ作品として面白かったのはもちろんだが、中国の近代史も少し分かった気がする。
2015年3月刊行。場面は南スーダンの自衛隊宿営地。頻発する盗難事件と指揮官に届いた警告メールの犯人探しを、定年間近の准尉と若い士長が調査する。安全保障に関わる問題を具体的に描き、読者にも考えさせる。「あれを見よ 深山の桜 咲きにけり 真心尽く