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2026年10月25日06:07

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乾燥地の小川のほとりに築造された日干しレンガの防御集落、モロッコのアイト・ベン・ハッドゥ

 まだ訪れたことはないが、ヨーロッパの主に青銅器時代から鉄器時代にかけて築造された「ヒルフォート」と呼ばれる丘上堡塞がある。丘の上に土塁や空堀を巡らせた防衛施設・集落である。日本の弥生時代に築造された環濠集落に似ている。
 むろん外敵から守るための集落で、コミュニティー、食料と家畜の保管、支配者の居住地として機能した。イングランドの「メイドン・キャッスル」が有名だ(写真=空撮と復元想像図)。

◎北アフリカのヒルフォート
 ヨーロッパは訪れたことはないが、「北アフリカのヒルフォート」と呼べるのが、モロッコのアイト・ベン・ハッドゥだ(写真=小川の向こうの丘の上に建つアイト・ベン・ハッドゥ)。モロッコでは「クサル」と呼ばれる要塞化された村の1つだ。
モロッコ中部を東西に横切るアトラス山脈の南麓のワルザザート近郊にある。
 中世から築造が開始され、1987年に世界文化遺産に登録された。日干しレンガで築かれた半ば崩れつつある集落には、最盛期には数百人が暮らしていた。モロッコ王国として治安が安定してから、多くが川の対岸に移り住んだが、現在も数世帯の人が住む(写真=住民の飼うロバ、通路が狭いので、重要な運搬手段だ)。僕は、12年前の2014年2月に訪れた。

◎完璧な防護態勢
 盗賊などの襲撃から守るため、城砦に匹敵する構造で、敵の侵入を防ぐため、集落への入口は1つしか無い。通路は入り組んでおり、1階は窓がなく換気口のみだ。また、外壁には日本の城によくあるように狭間(さま)が付けられ、集落最上階には篭城に備えて食料庫も備えられている(下の写真の上=狭間から観た食料庫;下の写真の下=最上階の食料庫)。まさに要塞集落にふさわしい。この偉容のため、映画のロケ地として何度も使われているという。
 日干しレンガ造りだから、夏は涼しく冬は暖かいだろう。アイト・ベン・ハッドゥは、もうちょっと南に行けばサハラ砂漠だから乾燥地にある。夏の暑熱は凄まじいに違いないし、冬の朝は冷え込むだろうから、合理的な建築だ。

◎2023年の地震後もなお健在
 アトラス山脈から流れ出てくる川のほとりに建つから、水はここから調達できる(写真=集落最頂部から見下ろした周辺景観)。
 僕が訪れた後の2023年9月8日にM6.8のモロッコ地震が起こり、アイト・ベン・ハッドゥでも一部の壁にクラックが入り、外壁に剥落も見られたという。ただアイト・ベン・ハッドゥ集落が完全に崩壊するような大惨事は免れ、翌日以降は観光ツアーも再開されたという。人々が盗賊などから身を守るために営々と築いた遺産だ。長く守られてほしい。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202610250000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「下関と門司港(後編):門司港レトロ街散歩、10月の真夏日にレトロの歴史遺産を観て回る」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202510250000/

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