最愛の妻を亡くした初老の男は遺灰を英国のウィンダミア湖に散骨して欲しい、という妻の願いを叶えようと一人で英国に旅立とうとするが息子の家族と一緒に行くことになる。何かと折り合いの悪い父と息子だがお互いに関係を修復したく思っているのにうまくいかない。英国に着いてから父親は息子夫婦と孫娘とは別に一人でウィンダミア湖に向かうのだが迷子になってしまう。
英国人の監督が日本人登場人物で夫婦の絆、親子のもどかしさを真摯に見せる感動作。
主人公オヤジを演じるリリー・フランキーの存在感が素晴らしい。この人は今や日本映画の至宝だ。妻役の木村多江との夫婦像は「ぐるりのこと」の後日譚のよう。多分に意識しているとは思う。
美しい湖水地方を旅する映像もそこで出会う親子も沁みてくる。息子夫婦役の錦戸亮と高梨臨も素晴らしい。
見ていてずっと胸が締め付けられるような苦しさがあり、その苦しさも本作の良いところ。ラストシーンの爽やかさが少し異質か。
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