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2024年03月04日05:26

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「角川短歌年鑑 令和6年版」

少し前の話題になるが、昨年12月に刊行された「角川短歌年鑑 令和6年版」の巻末の名簿とアンケートの欄に初めて加えていただいた。「短歌研究」の年鑑には、「短歌研究詠草」に投稿していたご縁で、かなり前から名簿と年刊歌集の欄に載せていただいている(*)。
(*)https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986418649&owner_id=20556102

その「短歌研究」の年鑑の名簿は、2022年版から詳しい住所や電話番号などは載せないという方針になって、歌集を贈りたいなどという時に使えないという不満を抱く向きもあったのではないかと思うが、角川さんの方は引き続き詳しい住所と電話番号も掲載されていて(個人情報保護法の特例のなんたらかんたらで法制上はOKらしい)、それならウチが拡充しましょうということになったのではないかと推測する。昨年の夏頃に「角川短歌」から年鑑の名簿に新たにあなたの項を載せたいがよろしいか、という問い合わせが来て、OKしたのだった。あわせてアンケートの質問も同封されていて、そちらはメールで回答を送った。

アンケートの質問は「もし明日、世界から短歌がなくなるとしたら?」というもので、10字以内で答えよ、という試験問題のような条件が付いていた。7年前になるが、「短歌人」2017年4月号の「時評」で平成29年版のこの年鑑のアンケート「あなたにとって『ことば』とは」を引いたことがあって、「筆者はこのアンケートに回答していないが、筆者なら「人類が負ってしまった悲哀」と答えただろう」と記したのだった(**)。
(**)https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1959486508&owner_id=20556102

今回の「もし明日、世界から短歌がなくなるとしたら?」もそれと類似した問いだった。短歌がなくなるのだったら、せんかたなし、俳句を始めようかとかいうのはナシにして、僕にとっては、短歌がなくなるということは言葉による表現を失うということだろうと思い、「透明な存在へ還る」と回答した。「原初の表現としての舞踏へ還る」というような答え方もあり得ただろうが、むしろここは「言葉」を失うとしたら? という意味合いの問いとして受け取るのがいいだろうと思ったのだった。

人類は何時の日よりか「言葉」を獲得してしまった。以来、われわれは言葉という「意味」のベールを世界に張りめぐらしてしまい、世界と直接交わることができなくなってしまった。もし言葉による表現を失うなら、言葉以前の透明な存在へ還ることができる。もちろんそれは叶わぬ望みであり、ある種の憧れでもあるのだが、「言葉」について考える時に僕はいつもこのようなスタンスに身を置いている。


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