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2022年09月10日20:58

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「古今奇談莠句冊(ひつじぐさ)」

読書日記
「古今奇談莠句冊(ひつじぐさ)」
都賀庭鐘
 作
(江戸怪異綺想文芸大系 第二巻・国書刊行会 2001年刊)

この巻「都賀庭鐘・伊丹椿園 集」のうち、伊丹椿園は読みやすいのだが、都賀庭鐘の「莠句冊」が晦渋で手に負えず、一度諦めていたが再挑戦した。とりあえず時間をかけることにして一作のみ記す。

「莠句冊第三巻・絶間池の演義強頸の勇 衣子の智ありし話」
自分は大阪の京阪沿線出身なので、舞台の茨田郡千林や太間村などの地名に親しみを覚える。この辺りは低湿地で作中にも「水淫の地、西北の巨川を防ぎたる茨田堤が霖雨洪水に必ず壊れ、幾た築きても土を保たず」とある。

さて怪異は、とある婦人が夜中に憑かれたように大騒ぎしたり、若き姉妹が化け物にかどわかされたり、大洪水が起こったりするが、これみな狸の仕業。
大力の強頸(つよくび)と知力溢れる衣子(ころもこ)の二人はこれらの難事件を次々と解決してゆく。このコンビはキャラクターが立って面白く、シリーズ化してほしかった。
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