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2022年07月11日20:27

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「注文の多い註文書」

読書日記
「注文の多い註文書
小川洋子 クラフト・エヴィング商會 

(ちくま文庫)

文学作品の中に登場するこの世にないはずのものを探し出す。註文書・納品書・受領書の3編で構成される5つの物語。

小川洋子が仕立て上げた不思議な註文書のエピソード。みな面白いが素材として選ばれる作家が、順番に川端・サリンジャー・村上春樹とふだん自分があまり寄りつかないようにしている作家たちで、そのせいか冷めた気持ちで読んだ。4話目のボリス・ヴィアンは自分の趣味の範疇だが、捜しだされる古物も青く光るガラス容器のような、硬質な美意識が漂ってさすがにおしゃれである。これはクラフト・エヴィング商會のセンス。(全編美しき写真あり)

最後に内田百間の「冥途」初版落丁本が取り上げられるに及んでようやく自分がゾクゾクする世界に。なんて面白いんだこの企画!
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