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2022年07月09日00:16

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結局、シリーズ全作が“ユルユルでグダグタ”だったというお粗末なスパイ映画シリーズでした。ヘンリー・レヴィン監督「サイレンサー第3弾/待伏部隊」(1967)。

たまたま僕は「サイレンサー第3弾/待伏部隊」だけ未見でしたから、今回テレビ放送(有料BSだけど)された機会に見ました。結果は、2022年の日本のプロ野球における阪神✕広島戦のようなもの。大きく違うのは、阪神✕広島戦なら広島ファンは大喜び(10勝1敗)するけれど、この「待伏部隊」を喜ぶ人間は、まずいないだろうということです。←探す気もないし、会いたいと思わないから名乗り出ないでね。

物語は、アメリカが開発した空飛ぶ円盤を奪われてしまい、それを取り戻すという話なのです。荒唐無稽というとカッコいいのですが、デタラメもたいていにしろという内容でした。まず空飛ぶ円盤の女性パイロットがジャニス・ルールで、僕にとっては「逃亡地帯」のロバート・デュバルの妻として印象深い人。その翌年にこんな役をやるか!

なにしろ主人公マット・ヘルムがスーパー・ヒーローなので、御年50歳のディーン・マーティンには無理なことおびただしい。だからアクションシーンはすべて、スタントマンの一人相撲と相成ります。おまけに編集もいい加減だから、ダラダラとしていてスルリとスペサンス満載ですわ。

なにしろ「007」シリーズが、ボンド・ガールとやらを動員して人気を呼んだもので、こちらも負けじと有象無象をかき集めてきます(写真3)。しかし残念ながら、ハリウッドとしては露出過多の衣装でサービスしたつもりでしょうが、そんな程度じゃ幼稚園児すら喜びません。あ、これは僕の精神年齢が幼稚園児と同じだという意味以外に他意はありません。

とりあえずセンタ・バーガーが色気部分を大きく担当する役を担っていますが、この方、「勝利者」でもエルケ・ソマーがちゃんといるのに、ソマー以上に画面を大きく占めていましたね。ハリウッドがドイツで儲けた金を、なんとか使ってしまおうとしたのかも。先輩の5ROちゃんは、けっこう気に入っていたようですが、僕は遠慮しときますわ。

それにしてもホント、どこをどうほじくってもオモロない映画です。嘘だと思うなら、アマゾンで1101円で売ってるからDVDを買ってみたら? ヘンリー・レビンって、「ボーイハント」とか「翼のリズム」あたりは、カワイコちゃんを多用してそこそこ浮上して航海する潜水艦だったよね。←並の上(=波の上)という意味でやんす。

とにかくこの映画を見たら、1960年代なかばのハリウッド映画がいかに腐っていたか、それが明らかになります。マンネリした制作陣がとりあえず次々と作品を生み出していたということでしょう。まだ「殺人部隊」にはアン・マーグレットがいたし、「破壊部隊」にはシャロン・テートがいました。それなのにジャニス・ルールか!

悪玉を演じるアルバート・サルミもカート・カーツナーも、とことん風采が上がりません。そりゃまぁ、ディーン・マーティンを食ったら駄目ですからね。手加減、手加減。スレイ・ガールズなんて名前をつけて10人近い女優さんが出てますけど、どれひとりとして魅力なし。こんなんやったらプレイボーイ誌の今月のプレイメイトのほうがずっとマシです。

ということで、ダメなアメリカ映画の見本として、博物館(ほれ、温泉地にあったでしょ、秘宝館っちゅうやつ)に飾ってやってください。ディノの曲よりシナトラの曲の方がいい、というギャグは、前作で逆をやったお詫びでっしゃろな。そんなもんでラストのオチになるかいな。
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