mixiユーザー(id:64140848)

2021年03月08日05:40

147 view

実在論?

 カンタン・メイヤスーの思弁的実在論とマルクス・ガブリエルの新実在論は、同じ「実在論」と言いながら中身はかなりかけ離れている。
 メイヤスーの方はカント以来の相関主義の呪縛から逃れようとして、「祖先以前性」というような概念を持ち出してくる。例えば、同位性元素の測定により、いろんな化石を「これは2億年前、それは5億年前」というふうに年代測定すると、その2億年と5億年の差異には「人間精神とは無関係」の存在論的意義があると、メイヤスーは主張する。
 一方、ガブリエルは何についても「~の意味の場において実在する」という但し書きを付ける。しかし、その「意味」を解釈するのは明らかに人間しかいない。明らかに「~の意味の場」というのは人間との関係性に他ならない。「モラルは実在する」と主張するガブリエルは、現代におけるカントの後継者である、と私には思える。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する