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2021年01月17日08:55

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金字塔を打ち立てる?

 ある人が偉大な業績を残した時、「金字塔を打ち立てる」というふうに表現されるが、この「金字塔」がなにを意味するかご存じだろうか? おそらく、金色の文字でその人の功績をたたえるような碑のようなイメージを抽象化したようなものを思い浮かべるのではないだろうか? 私はそのように考えていた。 しかし、金字塔は中国語でピラミッドのことである。ピラミッドの形が「金」という文字の形に似ているので「金字塔」となったのであって、金色の文字は全然関係ない。 ピラミッドのように偉大で、何千年もの後世まで残るような業績を讃える言葉として、「金字塔を打ち立てる」はふさわしいと言える。しかし、ほとんどの日本人はピラミッドを意識することなくその言葉を使用しているのではないかと私は考えている。

 なにを言いたいか? 言葉なんていい加減なものだな、ということを言いたいのである。早い話が、「すごい業績を残す」=「金字塔を打ち立てる」なのである。しかし、金字塔がなんであるかを分かっていなければ、この表現の中身は空疎である、大した意味はないはずなのである。けれども、単に「すごい業績を残す」というよりも「金字塔を打ち立てる」と言った方が、何かを言い得たような気がすることも確かなのである。
 
 言霊という言葉があるが、私達が「金字塔」という言葉を自ら口にした途端、「金字塔」という言葉の相貌つまり言霊が立ち上がると考えられる。その時から「金字塔」という言葉は内容が空疎なまま独り歩きするのである。私はそれが必ずしも悪いと言いたいわけではないが、言語のそういう性質というものをわきまえておく必要があると思う。
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