鬼滅の刃

　あまりに世間の評判が大きいので、試しに1~5巻を買って読んでみた。たくさんの人に受ける理由は理解できたが、アクション部分の描き方が洗練されてなくて読みづらいきらいがあるように感じた。あくまで個人的感想だが、作品としての完成度は「ジョジョの不思議な冒険」などと比べるとかなり見劣りするような気がする。
　愛する人への献身と自己犠牲の物語がこれほど受けるのは、今の日本にはそれが欠けているからだという気がする。ぬるい日常に浸りながら、清冽な純粋さにあこがれているというような感じがぬぐえない。公文書の改ざんをさせられて自殺した人がいるのに、誰も真実を訴える人がでてこない。それが日本の現実だ。マンガの中にだけ過剰な正義がある。