mixiユーザー(id:64140848)

2020年11月27日17:47

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差延

(from Wikipedia)≪ 過去の痕跡との関係によってはじめて現在は意味を為すことができるのだが、痕跡の形で現在と関係している当の過去は、あくまでも痕跡の形でしか現在に含まれていないため現在にとっては不在であり、フッサールの受動的総合のように、現在にその一部として所有されているわけではない。こうして、現在はその自己充足性を失い、つねに欠如をはらんだ動的な時間性を帯びることとなる。現在は独立して存在することができず、その外部である過去とのひらかれた関係を必要とする。≫

「痕跡の形で現在と関係している当の過去は」と言うが、当の過去は記憶か記録として現前するものである。それと関係する「現在」というものがどこにあるのか? 「われ思うゆえにわれあり」と言ったデカルトと同じ誤謬がここにあるような気がする。過去の痕跡と関係する「現在」は直観できない。ただ現前するプロセスがあるだけだ、つねに(我々が「過去」と呼んでいるものも含めて)何らかのプロセスが現前しているのであって、そのダイナミズムを時間の流れと言っているだけだ。そこに不動の「現在」などありはしない。

そのように考えると、「差延」というものも、現前するものを言語で固定できないというだけの話ではないのだろうか。

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