今日もまたかくてありなん

夏の間に実家のある避暑地にやって来た人妻が親戚や地元の人と触れ合ううちに親しくなった男やもめに深く同情し、やがて男やもめは最近やって来たやくざに戦いを挑む。
粗筋だと何のこっちゃよくわからないけど、確かに変な映画だった。何本監督作があって、そのうち何本を見ているのか把握出来ていない木下惠介監督だが、見たことの無い作品を上映しているのであればなるべく見るようにしている。本作はそんな一本で、この映画のことは知らなかった。
小市民が織り成す群像劇ではあるけど、やくざやチンピラが出て来て小市民を脅し、交通事故に見せかけた殺人らしき事件も出て来る。男やもめは雨の中を刃物を携えてやくざを殺しに行く。そのシーンが長回しの移動撮影で滅茶苦茶カッコいい。
木下惠介の映画はやはり変だ。その変なところが映画として面白いから堪らない。