mixiユーザー(id:6327611)

2020年02月10日02:06

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“いい映画”だとは言えなくても、こういう映画を押さえておけたことは“いい経験”だと思う。ヤン・ドマンジュ監督「ホワイト・ボーイ・リック」(2018)。

監督のヤン・ドマンジュは初耳です。1977年にパリで、フランス人の母親とアルジェリア人の父親から生まれ、2歳の時にイギリスに移住したようです。「戦争より愛のカンケイ」(2010)を地で行ってる感じですね。にわかに興味がわいてきて「ベルファスト71」(2014)も見たくなりました。

物語は1980年ごろのデトロイトが舞台。14歳の少年リック(リッチー・メリット)が父親のリチャード(マシュー・マコノヘイ)と銃器販売会に行き、業者からAK銃を安く買いたたくシーンから始まります。リチャードはそれに手製のサイレンサーを付け(これが違法)、リックを使って黒人ギャング(同級生の親族)に売りさばく。そんなことからリックはギャングたちに重用されます。しかし嗅ぎつけたFBIのエージェントが、リックを密告屋として使おうとする。

FBIのエージェントをジェニフアー・ジェイソン・リーが演じていました(写真2)。少し懐かしい。そしてリックの祖父母がブルース・ダーンとパイパー・ローリー。そうそうリックの姉ドーンを、「マイ・プレシャス・リスト」のベル・パウリーが演じているのでした(写真3)。14歳でハーバード大学に進んだ天才児とは180度違って、黒人の麻薬売人に惚れこんで家を捨てる役どころ。

マイケル・ムーアが「ボーリング・フォー・コロンバイン」で描いたように、当時のデトロイトは荒んでいました(今も?)。ギャングと市長や警察との癒着を、FBIが捜査しているわけです。そこに少年リックが一役買う。けっこうキツい内容で、見ていて苦しいのですが、生活感覚などに説得力があり全編見てしまいました。なにしろ銃器を日常的に扱う感覚にびっくりです。

例によって冒頭、“この映画は事実を基にしている”と出ます。そして淡々とした展開には、どうも大きな脚色はない感じがします。さらに“救い”の無いラストへとつながる。ということで見て気持ちのいい映画ではありません。また“いい映画だ”ともろ手を挙げて賛成できるわけでもない。しかし、こういう作品を見ておかないと、映画というものの全体像を見誤るのではないかと僕は危惧しています。

少なくとも、今回ベル・パウリーという女優さんに対する色気(彼女の色気ではなく、僕が色気を出しただけ)から、この作品に出会えたことはありがたい。こんな“収穫”があるから、手当たり次第に録画するという手法も“意味”があるわけです。とはいえ、リタイアした人生だから可能なだけなのかも(笑)。
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