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2020年02月06日05:40

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モラルは実在するか?

 新実在論者のマルクス・カブリエルは「モラルは実在する」と断言する。「子供を拷問する権利などというものは存在しない。(そんなことして良いはずがない。)」と言うのだ。そう言われてみれば、納得するしかあるまい。子どもを拷問するということに対する嫌悪感には確かに普遍性があるような気がする。しかし、世界には10才にも満たない子が学校へも行かせてもらえず働かされていたり、いたいけな少女が性奴隷として売り買いされている現実が少なからずある。そういうことを子供に強いることになんら痛痒を感じない大人もいるのである。もしかしたら、子どもを拷問することに快感を感じる大人もいるかもしれない。
 そう考えると、「実在するモラル」というのは、一般的な人間の傾向性に支えられているに過ぎないということになるのではないか。哲学的には簡単に実在するとは言えないような気がする。ガブリエルの言い方は一般向きにはとても説得性があるが、哲学者がそんな手を使ってもよいのかという気がする。
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