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2019年11月01日05:50

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日本料理は甘い

 約30年くらい前、多くの日系ブラジル人に接する機会に恵まれたことがある。彼らの日本料理に対する感想は等しく「とにかく甘すぎる」ということであった。なんにでも砂糖を入れすぎるというのである。はじめはなんのことを言っているのかがよく分からなかったが、その内なるほどと合点した。考えてみれば、日本料理の煮物にはたいてい砂糖かまたは味醂が入っている。我々はそれが当たり前だと思っているが、そのことが彼らを当惑させるのである。特に魚料理が甘いのには違和感があるらしい。

 昔の日本ではサトウキビが取れなかったので、本来の日本料理はそれほど甘くなかったはずである。ところが、かつては甘味料が余りにも貴重であったために、「甘い=高級または美味しい」という思い込みが日本人を支配していた時期があったのだろう。それで、甘味料の低廉化とともに甘い料理が普及したと考えられる。我々の嗜好は意外と思い込みに支配されやすいのである。だから、魚の煮つけに限らず、親子丼、すき焼き、卵焼きとみんな甘い。私が関東地方に来たばかりの頃は、うどんやそばの出汁にまで砂糖が入っていることが多かったが、最近はそれほどにまで感じなくなっていることからして、「甘い=高級または美味しい」という思い込みから脱する過程にあるのかもしれない。

 一番文句をつけたいのは、私の大好物のカレーライスである。市販のルーにはたいてい甘味料が入っている。日本のカレーの元祖である海軍カレーには甘味料は入っていない。ところが、ハウス食品が「リンゴと蜂蜜とろーり溶けてる」バーモントカレーを発売してからは、カレーも甘い料理の一つとして定着してしまった。それまでの家庭料理としてのカレーの味付けはカレーパウダーと塩だけだったので素朴であっさりしたものだった。私はそういうカレーが食べたいのである。外食のカレーでは、CoCo壱番屋が一番理想に近いかも知れない。ハウス食品さん、何とか一つ私の好みに合うカレー・ルーを発売してくれないものだろうか。
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