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2019年10月04日20:07

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本棚201『気象予報と防災ー予報官の道』永澤義嗣(中公新書)

 日々接する天気予報で身近なようでいて、具体の内容は知らなかった、気象庁の予報官の仕事が克明に描かれている。 

 今見ている空と全く同じ空はない、一期一会の空との出会いというロマンチックな側面はあるが、予想の確度と防災対応に必要な時間との狭間で、警報を発表する適切なタイミングを模索する、責任とプレッシャーの大きな仕事でもある。地球温暖化の進展によりこれまでにない豪雨が頻発する中、その重要性は一層高まっている。市町村と連携しながら、夜を徹して豪雨の状況を監視した話など、自身も予報官として働いていた著者のリアルな現場の様子も描かれる。今の仕事では気象庁との関わりもあるので、大いに参考になった。

「気象を愛し、気象に情熱を注ぎ、社会に貢献することを願って気象に人生を捧げたある予報官の決算書」という著者の言葉からは、一生をかける仕事に巡り会えた幸福と矜持が伝わってくる。
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