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日記一覧

 若者に向けて、ことば、語学を学ぶこと、翻訳をすることの魅力やコツを語っている。ロシアの文学大学での想い出を綴った『夕暮れに夜明けの歌を』とはトーンが違って、遊び心と軽みがあるが、一途に好きなことに打ち込む清々しさは前作に通じている。ロシア

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 江戸も終わりに近づいた頃に作られた江戸切絵図。武家の屋敷や神社・寺院などが精緻に書き込まれた江戸の地図だ。「井伊掃部頭」や「紀伊殿」といった文字だけのシンプルな地図であるけれど、いやだからこそ、当時の人びとが地図をもとに江戸の街をぶらりと

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 表紙に置かれた、お洒落なバーで乾杯をする若い女性達の写真の和やかさと、今この地で起こっている凄惨な出来事とのギャップを感じた。 1948年の建国当時、人口65万人のイスラエルは、装備も充分にない中、3100万人の近隣アラブ六カ国と第一次中東戦争を戦

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 今年度末で青森の棟方志功記念館が閉館してしまうのはさみしいが、先日行った東京国立近代美術館の棟方志功展のように、今後も各地の美術館で棟方作品に出会えるだろう。 「豊作という言葉は聞いたことのない土地」とされる厳しい風土、冬は白一色の雪に閉

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 戦時中、トットちゃんが通っていたトモエ学園が空襲で焼け落ち、青森に疎開するところで前作は終わっていた。それから続編が出るまでに四十二年間という膨大な時間がかかったけれど、ユーモアに満ちた黒柳徹子さんの文章と愛らしいいわさきちひろさんの絵は

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 地球、気象、宇宙のはなし。地学の本を読むと高山に登ったかのように視界が広く開けていく心持ちになる。 先人達の発見の積み重ねによる科学の進歩は、「巨人の肩の上に立つ」と形容されるが、様々な発見も普及するまでには紆余曲折を経ていることがわかる

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 仙台には2年近く住んでいたので、とても身近に感じられた。地形マニアの伊達政宗が、洪水や津波にしばしば襲われる仙台平野ではなくて、内陸部の河岸段丘に仙台城や城下町を築いたという話や、「杜の都」のルーツは武家屋敷の林であり、秀吉による国替えで

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 「その日に聴いた詩を味わいながら坂をのぼり、歴史図書館に向かう。寮に帰るともういちど清書したノートを開き、ノートから威勢よく聴こえてくる声に耳を傾ける。こんな日々がずっと続けばいいのにー幸せな日々の連続に、私はそう思うようになっていた。私

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