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2019年09月25日05:33

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おバカな映画を見たいと言ったが、バカな映画なんか見たくもない。ホアキン・ロメロ・マルチェント監督「カットスロート・ナイン」(1972)。

クエンティン・タランテイーノ監督が「ヘイトフル・エイト」の元ネタにしたという、スペイン製パチモン西部劇です。imdbのコネクション欄によると、“タイトルを参照したことと、いくつかのプロットが同じ。またどちらも雪の中で展開する”とありました。先に読むんだった。まだ「地獄のバスターズ」のほうがマシやで。←目糞・鼻糞です。どちらも食えたもんじゃない。

まず、囚人輸送馬車が登場し、7人の終身犯たちを護送しています。それを金塊輸送馬車だと考えた反乱軍(メキシコが舞台だとすると、こう考えるしかない)が襲撃しますが、囚人たちだけが馬車を走らせて逃げ伸びる(ご都合主義)。そして、一行9人のサバイバル旅行が始まる、という展開です(死ぬ順番は、次のスケジュールがある人から、だと想像できます)。

たとえて言うと、安サラリーマン向けの昼定食かな、と思います。本来のめし屋ではない居酒屋あたりが、ランチタイムをやっているというやつ。でもって、安く仕入れたランチ用のネタをそれなりに仕立て上げた、というの覚えてるでしょ。こういう店は、本物のランチを1品作って、看板代わりに店頭に置いてます。

でもって、ランチ終わりに滑り込んだ客が、“もうランチ終わりやろ。表にある見本、半額で食わせろ”というパターンがよくあったらしい。ということで、捨てるはずの見本を半額でという条件付きなら、それなりに合理的です。しかし、こちらはそうじゃない。タラちゃんが元ネタにしたと聞いてから見ているわけです。で、先のコネクション欄の説明どおりですから、とても辛抱できる映画ではありません。

以前から書いてますが、“この映画は事実に基づいている”という決まり文句がありますね。僕に言わせれば、地球が舞台で人間が登場し空気を吸って生存していれば、その映画は“事実に基づいている”わけです。だから、およそすべての映画は事実に基づいていることになる。その程度の基づき方なんか、断る必要がないわけですが、そういう程度の低いバカ映画が結構あります。

今回のスペイン製パチモン西部劇は、とことんパチモン野郎たちの“真髄”を継承しています。安値のランチの定番であるアジの干物と、古古古(×好きなだけ)米もしくは冷や飯の温めご飯、そして薄いみそ汁という品揃えです。物語の収拾がつかなくなったら、ダイナマイトで爆発させてオシマイでした。

こっちは知らん俳優ばっかしだし、紅一点のエマ・コーエンって、やたらいっぱい出ているらしいけど、なにしろパチモン専門らしいからどーでもえーわ。そもそも色気担当で出しているはずやのに、色気が少ないから要らんわい。さらにマカロニなどでおなじみのむさくるしい男たちが、どれが誰だか分かりづらい。そもそも僕は名前を覚える気なんかないから、とことんノリ気にならない作品(と呼びたくないな)でした。

いつもなら、“よい子は手を出さないように”と注意する僕ですが、この映画に限っては“ぜひ皆さんご覧ください”と言います。僕だけではなく、ほかにも被害を分担していただくことで、少しでも留飲を下げたいから。こんな映画のプロットを借用したなんて、タラちゃんも公言する必要ないやろ。こんな駄作を「ヘイトフル・エイト」にまで高めた? 要らんことせんでもええわい!

ところでスペイン映画でも終わりに“fin”と出るんですね。←正しくは“el fin(=the end)”らしいですが。録画した番組から本編だけ抜き出すためプレイリストを作っているとエンドマークが見え、フランス映画かいなと思ってしまいました。だからといって、それが評価には1ミリたりとも、1グラムたりとも作用していませんけどね。
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