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2019年09月13日05:38

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仕事から遠のいた僕に“産業学”なんて無意味だと思ったら、なかなか穿ったシリーズのようです。NHK「ダーウィンの海〜超巨視的産業学〜」。

たまたま再放送していたので見ました(最初は2018年3月末らしい)。NHKには「ダーウィンが来た!」という番組があり、ときどき珍しい動物の生態を見せてくれるので、本当に時々ですが見ていたわけです。で、この「ダーウィンの海〜超巨視的産業学〜」は「テレビ」を取り上げていました。もちろんテレビ局の話ではなく、家電製品としてのテレビです。

かつて家電製品については、日本が世界をリードしていました。テレビはその典型だと言えるでしょう。ポータブル・テレビを売りだし、ラジカセにテレビをつけたラテカセから、腕時計型のテレビまで発売していたわけです。←このラテカセや腕時計型テレビについては、僕もすっかり存在を忘れていました。腕時計型テレビを発売したエプソン(当時は諏訪精工舎かな)の関係者が、“あの技術が液晶プロジェクターに生きています”と言ってました。

続いて再放送した「case.温泉街」(最初は2018年12月末かな)の方は、僕はあんまり温泉が好きでもないから“ついで”に眺めてました。戦後の食うや食わずの生活から少し余裕が出て、高度経済成長によって娯楽としての温泉が受けたという“歴史的考察”が面白いのではなく、ゲストの星野リゾート社長が発言した部分に注目したのです。

いわく、“お客様に楽しんで頂こうと企画した内容が受けなかったら、旅館側の基本態度が悪いと認識するべきだ”ですと。戦前に開発された温泉街・熱海は、豪華なローマ風呂と大名膳などで集客しました。ちょうど丹那トンネルができ、関東だけでなく関西からも集客できたわけです。その地の利などから日本一の温泉街となりました。

ところがバブル崩壊で集客が落ち込み、新たな解決策を見いだせない旅館は廃業に追いやられます。先ほどのゲストの言葉を受けてホストの落合陽一が、“エクストリームな(極端な、という意味でしょう)客を引き付ける要素がないとダメ”と語り、そこにスティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したときの映像が重なりました。

僕は“これだ”と思いましたね。新製品が注目を集め、追随品が多数登場して一般化する。その端緒を切り開くのはエクストリームな客なのだ、ということです。だから僕はのように、極端な方向から映画を見ているエクストリームな観客(世界一わがままな映画ファンの一人です)を大事にしなさいという、この教訓には力づけられました。

今、公開される映画はアメリカ製コミックを原作にした大作が主力です。それがスマホだとすれば、日本映画はその体裁を真似た類似品を量産(かつて=昭和30年代前半ほどじゃないよ)している訳です。でも、そんな中でも異彩を放って注目されるのは、エクストリームな顧客を満足させるタランティーノのような作品なのです。

“産業学”なんていう、僕に言わせれば会社が考えることを学問と名乗るなんて不遜なわけですが(19世紀末には、その産学協同の姿勢こそ本来の大学のあり方でした)、事実関係を冷静に見つめるという意味では有効な学問なのだと確認できました。学問で経営の何が分かる?とお思いの叩き上げ経営者の皆さん、あなた方はボーッと生きてきただけの人間なのですよ。もっと“ツマラナイ奴だなあ”という意見に耳を傾けなさい。永遠の5歳であるチコちゃんは、穿った事をいろいろ教えてくれますよ。って、これは別の番組でした。

ところで元AKB48の女将、旅館は繁盛してますか?
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