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2019年09月08日04:58

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あの1969年から50年目の夏の終わりに、ウッドストックの裏話に接するのはやはりうれしい。NHK-BS世界のドキュメンタリー「ウッドストック 〜伝説の音楽フェス 全記録〜」前後編。

“あの”1969年というのは、7月20日のアポロ11号月面着陸であり、8月9日のシャロン・テート事件、そして“愛と平和と音楽の3日間”ウッドストック・コンサートです。ほかにもいろいろあって、その年に見た映画のメモを見直すと思い出が錯綜しますが、とりあえず今年の夏はこの3つでいいや、と感じているしだい。

1970年にマイケル・ウォドレー監督による3時間5分のドキュメンタリーが公開され、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。マーティン・スコセッシが手伝っていたということでも有名になりましたが、その程度の文化遺産だと思われたくない。DVDは3時間45分あり、ジェファーソン・エアプレインやジャニス・ジョップリンの姿も見られますので、ぜひそれをご覧ください。

で、25周年目にD・A・ペネベイカー監督による「ウッドストック・ダイアリー」という作品もあり、これもNHKで3回に分けて放送されました。ということで、今回は「American Experience」というシリーズの1編として放送された作品のようですが、NHKの原題表記「Woodstock: Three Days that Defined a Genaration」で検索すると、imdbでは1時間の放送時間になっています。でも45分枠2回で、後編の予告や前編のあらすじを抜くと81分ありました。とりあえず疑問を明らかにしておきます。

当時ファンとして熱狂した僕が健在ですから、まだまだ主催者たちも健在、いろいろと思い出話を語ります。当初予定した会場予定地で反対運動がおこり、ウッドストックで牧場を経営していたヤスガー氏が使用をOKします。でも会場設営の時間がない。ぎりぎりになって、“ステージを作るか、フェンスを作るか”を迫られた主催者は、フェンスがなければ無料入場を止められないけど、ステージがなかったらコンサートが成立せず主催者が刑務所入りになると、フェンスなしでステージを作ります。

ウォドレー版では主催者が“ここからは無料コンサートにします”とアナウンスしていましたが(今回も同じアナウンスですが、字幕にはfrom now onが反映されてません)、最初から無料だったわけです。←チケットなしで来た人間も入れたという意味。まだオンライン発券など想像もできない時代ですから、何枚売れているかも把握していませんでした。このあたり隔世感がありあり。

残念なのは、牧場主のヤスガーさんがアーカイブ映像だけだったこと。ま、あれから50年ですから無理もないか。僕より年下の人間でも亡くなっているしね。とにかく渋滞で出演者すら会場に到達できず、たまたま早く来たリッチー・ヘブンスがまずステージに上がったというのが真相でした。そしてあの“フリーダム”という曲は、舞台で即興演奏したらしい。だから“時には母のない子のように”とまざっていた訳ですね。

そしてヘリコプターを利用してアーロ・ガスリーが到着し、夜中にジョーン・バエズが歌って一日目が終わります。何十万人もが牧場につめかけ、何事もなく無事に終わったというのは本当に奇跡ですね。あの時間と空間を共有しているという気持ちが、せこせこした現実を忘れさせてくれたのでしょう。今何か社会的な動きを起こそうとする人は、この原点を分析しなおすことからやり直してほしいと僕は思います。

大阪のなんば大劇場で公開した初日、開場と同時に600人だか800人だかが入場し、劇場関係者は“こいつは大ヒットだ!”と狂喜したそうですが、二回目三回目と客足が伸びず、おまけに初回入場者がほとんど最後まで居座ったとか。そりゃまあコンサートなら終演まで座っているけどね。

そんな思わぬハプニングもまざまざと思い出してしまう、まさに“世紀のイベント”なのでした。体験者はぜひご覧ください。って再放送予定は今のところないか…。
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