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2019年08月07日22:02

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虚数は実在するのか?

二次方程式を最初に習った時、「X∧2+1=0 の解は存在しない」というふうに習ったはずだ。しかし、中学三年生くらいで虚数というものを習うと、その解は X=±i であるということになる。
なかにはこのように考える人がいると思う。「最初は知識が足りないから、とりあえず『解なし』としていたが、本当はX=±i とすべきだったのだ。」 つまり、虚数はもともとあったのだが、最初はその存在に気がつかなかったのだ、と。

しかし、ここに少し誤解が生じている。最初の「解なし」も「X=±i」もどちらも正しいのである。しかし、それらは別個の概念体系で論じられているのである。

Y=X∧2+1 の数式のグラフを XY座標による2次平面上で描けば、そのグラフはX軸との交点をもたない。つまりY=0となる解は存在しない。ところが虚数を導入するとXもYもそれぞれ互いに素な2つの数の組み合わせとなるため、数式Y=X∧2+1 のグラフは、Xの実数軸と虚数軸、Yの実数軸と虚数軸からなる4本の直交座標による4次元空間上に描かれる複雑な図形になり、Xの実数軸と虚数軸からなる平面と交差する点のX座標が解となる。

どちらが正しいとかいう問題ではない。そもそも概念体系が違うのである。複素数を2つの数の組み合わせではなく、三つの数の組み合わせにしても良かったかもしれない。合理的な計算方法を定義できればそれも不可能ではない。そういう意味で、虚数iが実在するかどうかというようなことはナンセンスである。

数学は矛盾なく定義できさえすれば、どのような体系を作っても良いのである。ただ、それが使えるかどうかとは別問題で、複素数は使い勝手の良い概念であるから、複素関数論は現代数学の中でも大きな領域を占めているわけである。


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