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2019年07月31日05:06

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モラルは「実在」するか?

マルクス・ガブリエルは言う。「子供を拷問していいか? 答えはNoだ。モラルは実在する。」と。

これは非常に説得力がある言い方だ。これを応用すれば、以前から日本で議論されていた「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いにも解答が得られたと言って良いだろう。
だったら、なぜ世界中で人殺しや児童虐待が亡くなることはないのだろうという疑問がやはり残る。

誰でも、「子供を拷問していいか?」、「人を殺していいか?」と聞かれて、「Yes」と答える人はいない。「そういう意味」でモラルは実在する。ガブリエルの新実在論によれば、あくまで「『そういう意味』の場においてモラルは実在する。」ということだ。あらゆるものが存在する共通の基盤としての「世界」というものは存在しないのだからそういうことになる。だとすると、新実在論というのは「実在」と云う言葉のつかい方を変えただけだということにならないか?

なんにしても、日常的感覚を哲学的に肯定しようとする姿勢は評価したい。今後の展開に期待したいと思う。
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